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「自分の良さを出さないと生き残れない」、櫻井辰徳は徳島で培った力をU-21代表候補合宿で見せつける

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MF櫻井辰徳

 パリ五輪に向けた生き残りの競争へ。U-21日本代表の候補合宿に参加するMF櫻井辰徳(徳島)は「ひとつでも大きいミスをしたら落ちる立場にいる」と危機感を覚えつつ、3日間で自身の良さを発揮していく。

 U-21日本代表は9日から3日間のトレーニングキャンプに突入。9日と10日に練習を行い、11日には大学選抜と練習試合を行う。大岩剛監督は6月開催のAFC U23アジア杯の“最終選考”とも語っており、招集メンバーは短い時間で自らをアピールしていく。

 現状のU-21日本代表はさまざまな布陣を敷き、練習試合やドバイ杯では4-2-3-1や 4-3-3の布陣を敷いた。櫻井はダブルボランチの一角やアンカーでのプレーが予想される。「ゲームコントロールの部分だったり、縦パスとか、自分の良さを出していきたい」。3月のトレーニングキャンプにも招集されたが、その後に行われたドバイ杯U-23ではメンバー落ち。再び訪れたチャンスで、6月のU23アジア杯出場を狙う。

 ゲームコントロールの部分は、今季加入した徳島で変化したようだ。「徳島に行く前はどんどんボールに触って、ボールもコントロールし、ゲームもコントロールするっていうイメージだった」。昨シーズンに神戸でプロデビュー。「先輩方に聞いてばっかりだった」という一年から、徳島では自分と味方の位置を動かしつつ、ポジショニングで試合をコントロールできるようになっている。

 その独特のコントロール法ゆえに、3月のU-21代表候補合宿ではまだ難しさもあったという。シーズンが進み、現在は「少しずつできるようになってきた」。急造の代表チームでは連携が不足しがち。だからこそ、今回の合宿ではコミュニケーションを意識する。「いいイメージをお互いで作れれば、間違いなく技術のある選手は揃っているので。おのずとチャンスも増える」と狙いを語った。

 2024年のパリ五輪に向け、仲間とともに切磋琢磨しながらも、その生き残りを懸けた競争は熾烈だ。櫻井は「代表に落ちるか落ちないか、ひとつでも大きいミスをしたら落ちる立場にいると思っている」とその過酷さを認識する。「自分の良さを出さないと生き残れない。いかに味方を動かしてゲームコントロールできるか。自分にフォーカスして、あと一回の練習と一回の試合ですけどやっていきたい」。成長の証を見せるチャンスがやってきた。

(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2022特集ページ

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