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日本vsブラジル 試合後の森保一監督会見要旨

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日本代表の森保一監督

[6.6 キリンチャレンジ杯 日本 0-1 ブラジル 国立]

 日本代表は6日、国立競技場でのキリンチャレンジカップでブラジル代表と対戦し、0-1で敗れた。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「選手たちにも試合前に話したが、前日会見でメディアの皆さんに話したとおり、勝利を目指して戦うということで準備して試合に臨んだが、勝てなくて非常に残念だ。我慢強く戦う時間が増えることは自然かなと思ったが、選手たちも我慢強く、粘り強く戦いつつ、攻撃の姿勢を忘れないで、ゴールに向かっていくところを見せてくれた中、結果が伴わず、残念に思う。惜しいではダメなのは分かっているつもりだが、選手たちが今、自分たちにできるベストをやり続けてくれたことは我々の未来の勝ち点、勝利につながっていくところはあったと思う」

―手応えより悔しさが大きいのか。
「選手たちも悔しいという思いを持っていると思う。今の言葉は私自身の悔しさからかと思う。現段階での力の差は認めないといけないが、戦い方次第で勝ち点を取れるというか、今日は一発勝負なので勝ち点にはならないが、リーグ戦なら勝ち点を取る、我慢強く戦って勝つことができたかもしれないという思いが言葉になった。選手たちは今のベストを試合にぶつけてくれた。チャレンジすること、アグレッシブに戦うこと、我慢強く戦うということをピッチ上で表現してくれた選手たちへのポジティブな評価は持っている」

―攻撃の課題は。
「攻撃に関してはまだまだ選手たちがやれることはあると思う。伊東純也はオフ明けで、パラグアイ戦も起用していない。まだまだ彼の本来持っているパワーは出せるのかなと思う。三笘に関しても、止められたシーンはあったが、1対1で相手を上回るところは見せてくれた。今日経験できたことでよりレベルの上がった相手に対しても自信を持ってくれたと思うし、肌感覚でやらないといけないことが分かったと思う。攻撃全体でなかなかこじ開けさせてくれないのは現実的なところだが、ビルドアップでいうと、前半の入りから難しいプレッシャーになっていた中、やり続けることで後半はかなり相手のブロックの中に入っていき、アタッキングサードにも入っていけた。選手たちが途中でやめていたら防戦一方の試合で終わっていたと思う。相手も守備に回らないといけない時間をつくり、我慢してトライすることで我々の形に持っていけたと思う」

―後半は相手がハイプレッシャーに来た。
「ハイプレッシャーで来るときにどう外すかは昨日のトレーニングで立ち位置等々を確認していた。形ではなく、相手よりどれだけ次のプレーを予測して動き出せるかというところが、今日の試合では攻撃でも守備でも必要になってくると選手には話していた。相手のプレッシャーが後半きつくなったとき、前半からやり続けたことで、逆に外せるシーンも出てきたと思っている。日本代表の選手たちはまだまだ伸びしろを持った選手たちで、こういう高いレベルの相手と戦うことで、試合の中でレベルアップしていける、成長していけるところを見せてくれた。FIFAランク1ケタ台のチームとはなかなか試合をできないが、今日のような経験をたくさん積めば日本の選手もレベルアップできると思う」

―右サイドバックでプレーした長友の評価は。
「(長友)佑都の右サイド起用という部分では、我々の戦いの中でまた一つオプションが増えたと思っている。強い相手になればなるほど彼がこれまで経験してきたことが出てくる。対人の強さではビニシウスに対しても互角に戦っていた。世界のトップトップでプレーしてきた彼の力は国際大会のレベルが上がったとき、世界で戦ううえで必要な要素というところをプレーで見せてくれていると思う。彼は今、Jリーグでプレーしているが、世界で戦うことを目標にしている選手がたくさんいると思うので、局面の対人の強さは世界を目指す上で絶対にやっていかないといけないところであり、彼は良い見本を見せていたと思う」

―ロシアW杯のベルギー戦以来の強豪国との試合だった。
「選手たちのメンタリティーとしては、FIFAランク1位のブラジルに対してもFIFAランク1ケタ台の強豪国に対しても、メンタリティーではまったく負けていない頼もしさ、自信を見せていた。厳しい当たりは当たり前で、理想的ではなくても、互角に戦っていけるというのはこれまでのW杯の経験で持ってくれていたのかなと思う」

―交代は試合展開で決めたのか。
「今日の戦い方のプランとして、基本的には最終予選で中心となった選手を起用しながら、試合の流れによって交代カードを使っていこうと考えていた。その中で三笘や柴崎、後半の頭から鎌田を入れたのは、我々がチャレンジしていくうえで、守備の粘り強さと、攻撃でギアを上げていくところの両方を試せるようにということを考えて、今日の選手起用になった。0-0の展開でも彼らが守備でも貢献してくれて、攻撃のギアを上げてくれると想像しながら起用しようと思っていた。三笘は攻撃だけのカードと考えられているというのをメディアの皆さんの記事で見たが、アジア最終予選のオーストラリア戦もそうだったように、守備も非常に力を付けていて、ハイインテンシティーの中で守備にも貢献し、攻撃で良さを出すところが成長しているところだと思う。守備のことも期待しながら攻撃のギアを上げてくれることを考えて起用した」

―スピードタイプの古橋、前田を1トップで起用したが。
「数は少なかったが、背後への狙いを持ったランニングだったり、実際にチャンスになりかけたシーンも作っていた。それをより多くできるように、チームの戦い方のクオリティー、縦に早いクオリティーを上げていけば、彼らはもっと生きるのかなと思う。スピード系の選手の起用ということだが、(古橋)亨梧にしても(前田)大然にしても、起点になるプレーも成長している。守備でも前線で2度追い、3度追いできるし、パラグアイ戦でも大然が2度追いしたことで得点につながった。総合的に考えたときに、スピードのある選手で、起点にもなれて、守備でも貢献できるということで起用している。大迫がいないということで、違うタイプの選手を起用していると見られがちかもしれないが、起点という部分でも彼らには期待していきたいと思っている」

―強豪国から勝ち点を奪うにはどうしたらいいか。
「攻撃力かなと思っている。ボールを奪ってから攻撃で前に運ぶ、相手のプレッシャーを外す部分はもっともっと上げていかないといけない。選手たちは今できるトライをしてくれて、ほぼクリアで逃げることはなかったと思う。ボールを保持しながら相手のブロックに入っていけるように攻撃力を上げないといけない。我々がボールを持っているとき、相手は守備でプレッシャーをかけてくるが、相手の圧力よりも早く良いポジションを取って、ボールをつなげるところを上げていかないといけない。守備に関しては、1失点したが、ボールロストしてからの切り替えや、最後のところで粘り強く止めるという部分、強豪相手にやらないといけないところは見せてくれた。それを継続しつつ、攻撃力を上げられるようにトライしたい」

―板倉の評価は。
「一つの判断が遅れていればもっと失点していてもおかしくない中、彼が危険な場面を察知して、相手の攻撃を未然に防ぎ、ゴール前では相手の決定的なチャンスを防いでくれていたと思う。攻撃では起点になりつつ、彼の能力からすればもっと前につけられるところはあったと思うが、チームが崩れることなく戦えたのは彼の貢献が大きかったと思う」

(取材・文 西山紘平)

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