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前回主将DF佐々木翔、リベンジ弾で悲願のE-1制覇! 中学以来の“最年長共演”も実現「宏太の親父にやったよ!って言いたい」

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ゴールに喜びを爆発させるDF佐々木翔(広島)

[7.27 E-1選手権 日本 3-0 韓国 豊田ス]

 栄えある日本代表の主将として臨んだ前回大会は無念の準優勝。2年半ぶりに挑んだEAFF E-1選手権でDF佐々木翔(広島)が悲願のトロフィーを掲げた。優勝セレモニーを終えた後、重圧から解き放たれた様子でオンライン取材に対応した佐々木は「何よりも結果が重要だった。内容ももっと良くできればいいけど、日本が苦戦している非常に難しい大会で勝ち取れてJリーグの力を見せつけられたと思う」と率直に喜びを語った。

 昨年3月、国際親善試合の日韓戦を前にした佐々木は「非常に多くの歴史的なこともあるが、個人としては前回タイトルの懸かった試合で負けている。リベンジするチャンスがあるのは非常にうれしい。いつになく気合が入る」と語っていた。今大会の取材対応でもW杯への意識を問われて「僕個人として前回この大会を失っているので、優勝して結果を出すことにフォーカスしている」と力説。それほど佐々木にとって、このE-1選手権のタイトルは大きなものだった。

 並ならぬ決意で迎えた日韓戦、佐々木は左サイドバックで先発。序盤こそ全体のプレッシングが機能せず、最終ラインが裏を取られる場面がたびたびあったが、時間が経つにつれて守備の安定感は増していった。「トレーニングからすり合わせは特に意識してやっていたし、ボランチ、前の選手、サイドバック含めてどうプレスに行くか、細かいところまでコミュニケーションを取れたからこそ意思疎通ができた」(佐々木)。

 ハーフタイムにまとまった修正を終え、後半からは日本が一方的に主導権をキープ。開始5分にMF藤田譲瑠チマからのクロスをMF相馬勇紀が決めて先制点を奪うと、同19分には佐々木に大きな見せ場が訪れた。左からのCK。「後半はニアに2本蹴っていて、中を見た時にニアに重心があって、ファーの選手が強くなさそうな選手がいたのでファーに蹴った」という相馬のキックがゴール前に向かうと、佐々木は得意の競り合いからヘディングシュート。見事に叩きつけてゴールにねじ込み、優勝を大きく手繰り寄せる2点目を奪った。
 
「たまらなく嬉しいの一言に尽きる。特に自分としても非常に気合が入っていた一戦だったので、結果として出せてよかった」。昨年6月のW杯2次予選キルギス戦以来のA代表2ゴール目を決めた佐々木はガッツポーズで感情を爆発。「ベンチメンバーに飛び込んでいけたらと後々思ったけど、無我夢中であんな感じになった」と我を忘れるほどの歓喜を表現した。

 その裏にはやはり日韓戦に向けたモチベーションがあった。「2019年は特に悔しい思いをして、チームとして戦うことの大切さをうまく表現できなかったので、しっかりと気持ちを入れて表現できた」。その後、チームはFW町野修斗のゴールでさらに1点を追加し、3-0で勝利。2年半前の悔しさを晴らすような圧勝劇で4大会ぶりの東アジア制覇を果たした。

 表彰式では、かつて横浜FMジュニアユース同期のMF水沼宏太(横浜FM)とともにトロフィーを掲げた。「昔一緒にやっていたというところから、それから一緒にプレーする機会はなかなかなかったけど、2人最年長で一緒に呼ばれて。宏太はチームの雰囲気をいい方向に向けていく意味でもチームにいい影響を与えてくれたし、その中で優勝できて感慨深いですね」。中学時代以来約18年越しの共演にしみじみ語った佐々木。「宏太の親父(元日本代表・水沼貴史氏)に『やったよ!』って言いたいです」と笑顔で取材エリアを後にした。

(取材・文 竹内達也)

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