beacon

日本vs韓国 試合後の森保一監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表の森保一監督

[7.27 E-1選手権 日本 3-0 韓国 豊田ス]

 日本代表は27日、EAFF E-1選手権最終戦で韓国代表と対戦し、3-0で勝利した。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

森保一監督
「選手たちは集まってきたときから優勝を目標にしようということで日々努力してくれていた。初めて組む選手も多い中、この短期間でチームが機能したのは、選手がオンザピッチ、オフザピッチでコミュニケーションを取り、絵を合わせてくれたことでいい結果につながったと思うし、選手が同じ絵を持てるようにコーチ陣が最善の努力をしてくれた。チームスタッフが代表活動の経験が浅い選手たちをサポートしてくれて、良いチームを作ることができた。選手たちは勝たなければいけないというプレッシャーの中、動じることなく、慌てることなく、入りの部分から魂を込めて、我々が勝つんだと球際を制し、ハードワークして、いい形で3得点できて、テクニックの部分も合わせてこの試合で出せたことがよかった。自分たちの価値を示し、価値を上げる、Jリーグの価値を示し、価値を上げる。この大会の優勝とともに、そういった価値を上げる部分でも志を持って戦ってくれた」

―サイド攻撃もプレスも中国戦から改善された。
「サイド攻撃に関しては、選手が違えば特徴も違うので、その特徴を生かしながら選手たちがその関係を築き、修正しながらいい攻撃の形をつくることができていた。守備に関してはマチ(町田)と(西村)拓真がいいスイッチを入れてくれて、前線の選手が攻撃だけでなく、守備でもハードワークしてみんなを引っ張ってくれたことで、相手にとって嫌な守備ができていたと思う。3試合無失点で来れたのは、間違いなく前線からGKまで守備の意識を持って戦うことができたからで、攻撃でも全員が攻撃に関わっていく部分、同じ絵をもって戦ってくれた。中国戦から韓国戦に向けて大きく改善というより、中国戦は得点を奪えなかったが、香港戦からチームとして攻守のレベルアップはあったし、さらに3戦目に向けてということで、攻守ともに連係連動がレベルアップしたと捉えている」

―宮市の状態は。
「ゴールライン付近で痛んで、試合中にメディカルの方からプレー続行不可能と連絡があったので、すぐに交代した。違う選手で交代カードを考えていたが、宮市と森島を代えるという判断に変えた。今の状況としては、病院にも行っておらず、膝を固定して様子を見ているところ」

―どんなゲームプランだったか。
「ゴールを奪う、ゴールを守るというサッカーの原理原則の中、ボールを奪い合うところから魂を込めて戦っていこうと。韓国も攻撃的なチームだが、デュエル、球際で勝ってカウンター攻撃を仕掛ける、サイドから攻撃を仕掛けるところで、序盤から相手を上回って戦うことができていたと思う。ただ、前半に関しては相手ももちろんフレッシュだし、速いテンポで試合をしている中、奪ったボールをロストしたり、このパスが通ればビッグチャンスを作れるという最後のところの甘さがあった。ボールロストがあってチャンスを作れなかったところもあったが、絵は合っていたし、粘り強くやってくれたことで、いい形で揺さぶりながらクロスからの得点につながった。セットプレーに至るまで主導権を握っていたし、3点目はこの活動の中でコンビネーションで崩していく練習をやってきて、ミーティングでも絵を合わせてきたところをピッチ上で表現してくれた。やり続けたことで最後に相手を上回ることができた」

―W杯メンバーの候補に入ってくる選手はいたか。
「W杯のメンバーとして候補に入る選手は何人もいた。メンバーに選ぶかどうかはこれから視察を重ねて、これまでの活動も踏まえ、選手の情報をさらに集めて決めていきたい。メンバー選考と話は違うが、できれば全勝優勝したかったが、優勝が目標の中、すべての選手を使って優勝できればと思っていた。全選手を先発で使うことはできなかったが、出場時間に差はあっても、このE-1という国際大会で国際経験を積んで成長することに結果をつかみ取りながらチャレンジしていきたいと思っていた。みんながアピールする時間があってよかったと思う」

―藤田譲瑠チマがW杯メンバーに入るには何が足りないか。
「よく動いて、よくボールに絡んで、素晴らしい選手だし、守備に関してもボールアタックに行ける。アグレッシブなプレーをしてくれる選手だと思うが、すべての部分でまだまだ上げてもらって、もっとよりいい選手に成長してもらいたいと思う。守備ではアプロ―チは素晴らしい守備をしているので、奪い切る、相手を止める力を付けること。攻撃ではボールに絡む回数が多くて素晴らしいので、展開力、より効果的にボールを動かせる中継役として成長してほしい」

―3試合それぞれ同じクラブの選手を多く起用した。
「結果的にクラブの力をお借りしたところは間違いなくあったと思う。しかしながら選考に関してはJ1の18チームをフラットに見て、視察する中で選手を絞っていき、スタッフでミーティングを重ねた結果、今回集まった選手が日本代表としてE-1を戦うメンバーになった。各クラブの人数であったり、日程であったりを踏まえて、一戦一戦戦う中で第1戦と第3戦はマリノスの選手が中心となり、2戦目は広島の選手が多く出た。マリノスはJリーグで首位を走っているチームで、結果を出しているチーム、良い選手がたくさんいるチームから代表として選手が選ばれるのはある意味自然かなと思う。以前のブラジルW杯でドイツが優勝したとき、ほとんどバイエルンの選手が選ばれていて、普段やっていることが代表にも生きるということがあったが、将来的に日本でもあっていいと思う」

―9月の欧州遠征に連れていきたい選手はいたか。イエスかノーでお願いします。
「イエスです」

―監督として選手に伝えたことは。
「できるだけオンザピッチ、オフザピッチでコミュニケーションを取ってほしいと。普段対戦している相手で、なんとなく相手の情報は持っているかもしれないが、ピッチ内でより要求し合って、お互いの良さ、特徴を知る。パーソナリティの部分も会話をすることで、お互いどういう思いでいるかを少しでも早く分かり合えるようにしてほしいと働きかけた。食事会場で毎回、座るところも変わっていたし、ピッチ内でもお互いのイメージをすり合わせてくれた。コーチ陣には選手が戦い方の絵を持てるように、試合に生きるトレーニングの内容でやっていこうと話していたし、ミーティングでは映像やいろんな資料を作って、選手たちが同じ絵を持てるようにコーチが素晴らしい仕事をしてくれた」

―W杯も準備期間が短いが、何か参考になったか。
「E-1はまさに集まって2日後に試合だった。短時間の準備で選手に絵を持ってもらうためにいろんなチャレンジをしないといけないということで、コーチ陣も選手にチームコンセプトの伝え方を考えてトライした」

―監督としてタイトルを獲得したことをどう思うか。
「率直に言ってうれしいと思う。選手、スタッフと努力したことが結果となって優勝メダルをもらえるのは素直にうれしい。ただ、カタールW杯で目標としているところを達成することが最大の目標なので、喜びを爆発させるところまでにはならない」

―韓国に2試合連続で3-0で勝った。年代別代表でも勝っている。
「今の選手たちは韓国に対してコンプレックスやメンタル的に引けを取っているところはまったくない。自分たちのやることにフォーカスできるし、どの国と戦っても互角に戦える。アジアの国と戦うのであれば、より高い確率で勝てるという自信を持っているのではないかと思う」

―声出し応援が解禁された大会だった。
「サポーターの声出し応援の後押しで、ゲームの中で苦しいときにひと踏ん張りできるし、気持ちが上がって選手はプレーできる。厳しい戦いだが、試合を楽しむ気持ちにもなる。戦うメンタリティー、気持ちを上げてくれるのはサポーターの声出し応援だなと改めて感じさせてもらったし、応援には感謝したい。ただ、まだまだコロナ禍は続いている。制限が徐々に緩くなっていくのは素晴らしいと思うが、依然として感染対策はしっかりしながら、日常生活に早く戻れる日が来ればいいなと思う」

(取材・文 西山紘平)

●EAFF E-1選手権2022特集ページ
★日本代表など参加32チームの最新情報をチェック!!
2022W杯カタール大会特集ページ
★全64試合の日程&テレビ放送をチェック!!
2022W杯カタール大会日程&TV放送

TOP