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U-19日本代表はエースFW坂本一彩がファーストチャンス逃さず。「めちゃくちゃ...」なヘッドで先制点!

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FW坂本一彩(ガンバ大阪)は先制ヘッドに加え、雨中で“らしさ”も発揮した

[9.12 U20アジアカップ予選 U-19日本代表 4-0 U-19ラオス代表 ラオス]

 U-19日本代表の背番号11が、大事な初戦の最初の決定機をゴールへと変えた。決して簡単ではない、貴重な1点だった。

 試合開始から苦戦の予兆は十分だった。降りしきる雨が生み出した水たまりだらけのピッチコンディションに加え、「Jリーグとはまったく違う雰囲気」とFW坂本一彩(ガンバ大阪)が率直に驚きを感じたと言う地元ラオスに対する大声援によって、普段通りのプレーは難しくなっていた。坂本自身、「ちょっと動揺していたところはある」と振り返る。

 それだけに、最初のチャンスを決め切れるかどうかは試合の分水嶺だった。巡ってきた形はクロスボール。サイドチェンジから縦に仕掛けたMF永長鷹虎(川崎F)が早めに上げたクロスボールをファーで受ける形から、「めちゃくちゃ苦手」と笑って言うヘディングシュート。「とにかく枠に飛ばすことを意識した」と慎重に合わせると、しっかり額でミートしたボールが相手GKを破っての先制点へと繋がった。

 この日は最前線に入ったが、元より「典型的なセンターフォワードというタイプではない」と自ら語るとおり、フィジカルで勝負するのではなく足元のテクニックやアイディア、駆け引きで輝くタイプ。身長もそれほど大きくない。だが、日本で行われたU-19ベトナム代表との練習試合でもヘディングのゴールを決めており、「最近なぜか頭で決めることが多い」と本人も不思議がる流れが継続する形での先制弾となった。

 その後も決して楽な展開ではなかったが、前線で泥臭く体を張りながら、守備も含めてしっかりと貢献。後半は得意とする咄嗟のアイディアを出すプレーも披露。17分には浮き球を巧みに処理してのロングシュートを狙うなど、本来の“らしさ”も出した。

「完全アウェイって感じだし、アジアの戦いって面白かったです。アジアのチームってガツガツ球際で来るし、日本とはかなり違っていて、そういうのも『面白いな』と思いながらやっていました」

 FWに離脱者が相次ぐ中、「自分が絶対に決めてやると思って試合に入った」不敵なエースがしっかり結果を残し、チームに勝ち点3をもたらした。

前半21分、U-19日本代表FW坂本一彩(ガンバ大阪)が先制ゴール

(取材・文 川端暁彦)
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