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U-21日本代表ヨーロッパ遠征メンバー発表 大岩剛監督オンライン会見要旨

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大岩剛監督 ※写真は過去のもの

 日本サッカー協会(JFA)は8日、オンラインで記者会見を行い、今月中旬から行われる欧州遠征のU-21日本代表メンバー23名を発表した。

 メンバー発表会見では、大岩剛監督が質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

大岩剛監督
「強い国と試合ができる重要さをしっかり認識した上で、有意義な試合をしたいと考えている。いい準備をして臨みたいと思う」

─9月の欧州遠征で得られた課題とは。また、今回の目標は何か。
「前回スイスとイタリアとやったが、ヨーロッパの国と戦うことが非常に少なかった。対アジアでは数試合やったが、ヨーロッパはわれわれをリスペクトするよりも自分たちの強みを出してくる国。そういう試合前の準備の段階でまったく違うし、スピードと強度もまったく違う。そういう中で試合ができたということは、非常に有意義だった。その2試合を通じて、できたこと、できなかったことは明確になった。われわれの基準もひとつふたつ上がった中で、今回の2試合を戦えることになった。しっかりと準備をして、スペインポルトガルに乗り込んでいきたい」

─MF西川潤(鳥栖)が初招集。期待しているところとは。
「鳥栖で披露しているプレーは、非常に目に留まる。複数のポジションでプレーをしているし、インテンシティも含めて、非常に目に留まるプレーをしている。前回の欧州遠征でも招集はしたかったが、怪我だったり体調不良だったりしていた。若いアンダー世代では常連だった選手。こういう国際試合で成長した姿を発揮してくれたら、いい刺激になると思う」

─カタールW杯に臨むA代表に向けてエールはあるか。
「ありきたりの言葉だが、A代表にはいい準備といいゲームをしてほしいということしか言えない。ただ、われわれはA代表を目指していた。われわれのグループの中でも、何人か26人の中に入ることを期待していた。まだまだ足りないところがあると思っている。この遠征を通じて、少しでもA代表の基準になれるような2試合をしたい」

─アジアの国と戦うときと、ヨーロッパの国と戦うときでは準備は違うか。
「アジアの国々は、われわれの良さを消すというサッカーをしてくる。これはレベルの違いというか目線の違いなのか、前回戦ったスイスとイタリアは、自分たちのやり方、レベルをしっかりと出してきた。今回もおそらくそういう風になる。われわれも相手の良さを消すようにアプローチをしながら、自分たちのストロングを出していくという準備をしっかりしなければ、前回の2試合のような反省をすることが多いゲームになってしまう。より自分たちの良さを出すように、ストロングを出すような準備をして、試合に臨みたい」

─対戦するスペインとポルトガルの印象は。
「スペインもポルトガルも、映像を見た中ではテクニカル。個々のスピードもある。全体的な戦術のスピードも、いまのトレンドである縦に速いというところはある中で、それぞれの技術的な強みは持っている。この年代でもしっかりした技術レベルと思っている」

─ヨーロッパの強豪国とのマッチメイクが続いている。
「希望は出している。アウェーで強い国と、特にヨーロッパ。マッチメイクする相手は00年代で、ひとつ年代が上。来年U-21ヨーロッパ選手権があるので、そのグループとやる。それはわれわれにとって、いい対戦相手だと思っている。できるだけ、強い国とアウェーでやれるようなマッチメイクはお願いしている。トップオブトップの強いところとやりたいというリクエストはしている」

─前回の遠征の反省点を、今回の遠征メンバーにフィードバックしたい部分は?
「やられた時間帯が、スイス戦もイタリア戦も早い時間だった。アジアの戦いではそういうことはないかもしれない。相手のレベルが上がれば上がるほど、自分たちが主導権を握るコントロール、タイムコントロール、ゲームコントロールのそういうところ。どのように入らなければいけないかというのは、前回のスイスとイタリアで痛いほど味わった。ただ、特にイタリア戦の後半で、自分たちがボールを最後尾から動かし、自分たちが能動的に動いて、ボールを動かして、相手を動かすところ、その中で攻撃のコンセプトを出していくということが非常に出ていた。それを前回の2試合の反省を踏まえた上で、最初から相手がどこであろうと、自分たちがしっかりとプレーをするという形で入らなければ、戦いはできないと思っている」

─メンバーがA代表の26人に入れなかった不足の部分とは。
「数字上のデータで、たとえば走行距離だったり、インテンシティ、スプリントの数、アクションの数を見ると、そんなにそん色はない。ゲームによって多少前後はあるが、少し劣るくらいと思っている。ただ、しっかりとA代表の基準を提示してスタンダードにするという話をしている。そこを意識しながら、個人戦術というところは止める蹴るは当然のことながら、味方と敵をどうコントロールするか。スペースをどう攻略していくかという個人戦術はもっと磨く必要がある。A代表は海外でやっている選手がほとんど。逆にわれわれは国内でやっている選手たちがほとんど。そこのステージをどんどん上げていく。やらざるを得ない状況に自分たちをまず置くことが、今後われわれのグループの選手たちに求めていくところでもある。当然、それは個人の成長がなければそういうステージには立てない。個人のステージだったり、スタンダードを変えるところを、今後も引き続き選手に求めていきたい」

─海外は若手の活躍がめざましい。
「(ジャマル)ムシアラは、前回の欧州遠征の後に視察に行った。バイエルンでも中心。個人戦術、スピードも、プレーも、トランジションの早さも、われわれの世代の域を越えている。あれを目指さなければいけない」

─コスタリカのジェウィソン・ベネットなど、“ヤバい”と思わせるものを持っている選手が出てくる。
「おっかない、怖い選手、相手に恐れられるということは、すごく重要。それはスピードとか強さとか、いろんなことはあるが、自信満々にプレーしている。自分の武器に自信を持って、どんなプレッシャーの中でもしっかりプレーしているのは怖さを与える。その上で特長があれば、より相手にとって恐怖に陥らせることができる。そういうのをわれわれの選手たちは求めていきたい。ただ上手いだけじゃなくて、ただ速いだけじゃなくて、怖さを与えることはすごく重要。名前が出た選手を目指すというよりも、自分の特長を自信を持って出すことで怖さを相手に与える。A代表でいうと鎌田(大地)。顔つきがまったく違う。あれだけ自信満々でプレーしている。味方を鼓舞するというか、怒鳴りつけるような存在感がチームにある。ああいう選手が上に行くんだなと。ああいうのをスタンダードにしなきゃいけないなと感じさせられる」

─五輪世代がA代表に食い込んでいる。日本はその傾向が強い。4年後の期待感はあるか。
「それは期待というよりもマスト。しなければいけない。これだけのマッチメイクをする中で、強豪国とやってそこに勝つと。いい経験では自分たちにとって何も身にならない。そこに勝つということで自信を深める、自分のプレーに自信を持つ、怖さが出る、そういうサイクルだと思う。そういう風に自分たちが食ってやる、勝ってやるという気持ちを、前面的に出すような試合にしたい」

─J2にいる選手はJ1か欧州を目指すかもしれない。そのエールになるような遠征になるのか。
「ステージを上げろと、われわれはそれしか言えない。これを機にJ1に行くのか、海外に行くのか、いろんな選手が出てくる。本気かどうか、これくらいでいいやとか、J2でもJ1でもいいやって思っていたら成長は止まる。常に貪欲に求めていってほしい。選手をたきつけるわけではないが、われわれのグループの基準をいろんな意味で上げていく、引っ張り上げていくのがわれわれの役目。しっかりアプローチしていきたい」

─U-19日本代表も同タイミングに行われる。選考に影響したか。
「19も来年の準備があるので、そこは冨樫監督としっかりコミュニケーションをとった上で、判断をさせてもらった。ただこれは、選手たちがわれわれのグループに常に入るんだということではなくて、それぞれの基準があって、それぞれのスタイルがあって、求めていることがある。そこにしっかりと達するかどうかというのは最重要になる。われわれも観ていて、お互いに情報共有はしているので、それがあった中で今回選考をさせてもらった」

─このチームにも招集されていた松木玖生。ルーキーイヤーを終えて、活躍をどう捉えているか。
「高卒一年目であれだけ怪我なく、タフに戦えるということは、彼の本当に強みの部分だと思う。その中で、彼自身がフットボーラーとしていろんなものを吸収したと思う。彼が今後どういうロードマップを描いているのか。われわれのグループにも名前が挙がる選手なので、しっかりとしたチェックもしていきたい」

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