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一時は「もう無理かな」と思ったW杯…脳震盪から復帰の遠藤航が4年越しの初ピッチで躍動

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ボランチで存在感を発揮したMF遠藤航

[11.23 カタールW杯E組第1節 日本2-1ドイツ ドーハ/ハリファ]

 脳震盪から約2週間ぶりの復帰戦を歴史的な逆転勝利で飾った。劣勢に耐えた前半も、攻勢に転じてミラクルを起こした後半も日本代表MF遠藤航(シュツットガルト)はピッチに立ち続けた。日本が誇る“デュエル王”じゃ初めてW杯のピッチに立ち、「最高でしたね。これを求めてずっとやってきた。楽しむだけだと思ってやって、勝てて良かった。楽しめた。きつかったですけど」と、笑顔を浮かべた。

 前半は“運”がなければ試合が決まってしまっていたかもしれないほど、ドイツに押し込まれた。「前半はタフだった。相手が勢いを持ってやってきて、自分たちは前からプレスにいくというよりは、しっかりブロックをつくって守ろうとした。その判断は悪くなかったと思うけど、思った以上に相手が圧力をかけてきた」。

 前半のボールポゼッションはドイツ72%、日本17%、イーブンボール11%。攻め込まれ続けた前半33分にこらえきれずにPKで失点し、その後も猛攻を受けた。前半だけで被シュートは13本。しかし、相手の決定力不足にも助けられ、「1失点に抑えたことで最低限のことはできた。2点目を取られたらダメだと思っていた」と振り返った。

 3バックにシステムチェンジした後半はマンツーマン気味に守備がハマり、交代選手の勢いもあって徐々に日本が好機をつくり出すようになった。バイエルン戦の経験から「後半は相手も少し落ちくるんじゃないかみたいなのは、バイエルンとやっていて感じていた」という遠藤は「後半はうまくシステムを変えながら、自分たちも圧力をかけながら、交代選手も含めていい試合ができたかなと思う」と満足そうな表情を見せた。

 今月8日のヘルタ・ベルリン戦で相手選手と接触し、激しく頭部を打ち付けた。「正直、最初に入院したときはもう無理かなと思った。結構、頭が痛かったし、気持ち悪くて吐いたりしていたので。でも、その次の日くらいからだいぶ回復して、もしかしたら普通にいけるかもと思って、あとはコンディションを回復するだけだった。間に合って良かった」。初戦を無事に終え、本音を打ち明けた。

 W杯メンバー選出は2度目だが、16強入りした前回のロシアW杯は最後まで出場機会が訪れなかった。4年越しの夢舞台。今度は中心選手としてW杯優勝経験国のドイツに勝利した。

 しかし、すぐに前を見つめてこう言った。「思ったより冷静だったというか、グループリーグ突破が決まったわけでもないし、どっちかというと、もう次に切り替えないといけないというのがある。一つ試合をやったのは大きい。次はもっと体の感覚がよくなると思う」と気持ちを引き締めた。

(取材・文 矢内由美子)

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