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狙い通りのクロスで先制点導くも…U-17日本代表MF吉永夢希(神村学園高)は納得せず「その1本だけ」

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先制点をアシストしたU-17日本代表MF吉永夢希(神村学園高)

[6.17 AFC U17アジアカップGL第1節 U-17日本 1-1 U-17ウズベキスタン]

 前半8分に試合を動かしたのは、左MFで先発していたMF吉永夢希(神村学園高)の左足だった。U-17日本代表にとって、戦術的な狙いどころはまさにここだった。大外に開く吉永へ DF小杉啓太(湘南U-18)から鋭いパスが通る。

「啓太とはよく話もしていて、動いたら出してくれる。ああいうパスが出て来ると思っていた。あの形を作ってくれれば、自分は大体突破できるので」という吉永は得意の急加速で相手DFを瞬間的に置き去りにすると、あえて少し早いタイミングでのクロスボールを送り込む。「(道脇)豊とは何度も話をしてきたので」と言うとおり、中で待つストライカーのタイミングとこれはピタリと合っていた。

「(吉永)夢希なら、あのタイミングで上げてきてくれると思っていた。本当に良いボールだった」(FW道脇豊)

 GKが出られない位置とスピードを伴ったクロスは、見事な先制弾へと繋がった。チームとしての戦術的な狙い、トレーニングから積み重ねてきた関係性、そして個人の技術的精度が組み合わさった見事な一発だった。

 ただ、吉永本人に納得感はなかった。

「あれ(先制点)は良かったと思います。その1本を出せたのは収穫。ただ、その1本だけしか出せなかった」

 その後も何度もクロスを送り込むチャンスはあり、中には狙いとタイミング自体はしっかり合っていたボールもあったが、少しズレて味方には届かず。さらなるアシストには至らなかった。

「もっともっとクロスの質を上げていかないといけない。あそこで合わせられさえすれば、中の選手は絶対に決めてくれると思うんで、あそこを通したい」

 一方、多くの選手が苦しんだ暑さについては、「別に何ともなかった」と、あっけらかんと振り返った。「暑いのは暑いっすけど、日本の夏もキツいし、鹿児島のほうが暑いんで。影響はないです」。そう言って笑った健康優良九州男児。どうやら次の試合でも、暑さをモノともしないエネルギーあふれるプレーを見せてくれそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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