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「チームとして前進できた」ベトナム戦。U-17日本代表が世界切符、アジア制覇へ大きな1勝

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U-17日本代表がベトナムに4-0で快勝。「チームとして前進」する1勝となった

[6.20 AFC U17アジアカップGL第2節 U-17日本 4-0 U-17ベトナム]

 引き分けに終わった第1戦から中2日で迎えるU-17ベトナム代表との第2戦。U-17日本代表は先発5名を入れ替えて臨んだ。DF松本遥翔(鹿島ユース)は体調不良でベンチ外となっただけでなく、「やはり第1戦をやった選手たちが相当消耗していた」(森山佳郎監督)ことから、「練習で良かった選手を中心に先発させた」(同監督)。

 ここで意地を見せたのは第1戦で先発を外れた選手たちだった。DF柴田翔太郎(川崎F U-18)が「第1戦が終わったあと、『絶対に見返してやろう』と話していた」と言うように、気合いは十分。開始2分で先制点を挙げるなど勢いを持って試合に入ることに成功した。

 その後は「ちょっとチームがギクシャクしてしまった」とFW道脇豊(熊本)が振り返ったように、選手たちの狙いが噛み合わない時間帯も増えてしまったが、そこもハーフタイムで修正。チームの勝利のために意思統一を図って臨んだ後半は、トップ下で先発したMF望月耕平(横浜FMユース)の2得点などで4-0の快勝となった。

 タイでの生活で、あるいは酷暑の試合で奮闘した影響からコンディションを落とす選手も出ている状況は一見するとピンチだが、「元より全員で戦うつもり」の森山監督は、チームを一段階スケールアップする好機として捉えている。

「今日は良い内容だったかと言えば、そうでない部分も多い。ただ、望月のような練習で良かった選手が先発して結果を出し、途中から出て来た選手たちがチームに勢いを与えてくれた。これでフィールダーは全員が試合に出た形にもなったし、チームとして前進できた感覚がある」(森山監督)

 この連戦でフィジカルコンディションはどうしても落ちていくもので、練習時間はどうしても限定されてしまう。ただ、その中でもチームスピリットを含めたメンタル面は向上させていきたい考えだ。

「このままさらに良くしていって(世界大会出場権の懸かる)準々決勝に繋げ、最後は優勝で終わりたい」(森山監督)

 今度は第2戦で先発しなかった「メラメラしてくれているはず」(森山監督)の選手たちがU-17インド代表との第3戦で爆発してくれれば——。ライバル意識の中で個人とチームが伸びていく代表らしい成長曲線を描けるか。それが大会の成否に直結することになる。

(取材・文 川端暁彦)
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