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「絶対にやってやる!」。燃える右SB柴田翔太郎(川崎F U-18)が示したメラメラ感

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後半14分、U-17日本代表DF柴田翔太郎(川崎F U-18)が右サイドを突破。2点目のゴールをアシストした

[6.20 AFC U17アジアカップGL第2節 U-17日本 4-0 U-17ベトナム]

「今日ベンチだった選手たちがメラメラ感を出してくれれば、次からもっと良くなる」

 AFC U17アジアカップの第1戦を終え、森山佳郎監督はそんな言葉を残していた。先発から外されて練習から不貞腐れるのか、それとも燃えてくるのか。その反応を待っていた。

 DF柴田翔太郎(川崎F U-18)は明確に後者だった。「本当に悔しかった」と言うように、ベンチのまま90分を過ごした第1戦は「ずっとこの代表で試合に出てきていた」というだけに、心に来るものがあったと言う。第1戦後には、同じく出番のなかった選手たちと集まり、「絶対にやってやる!」と話し合っていたと言う。

 そして迎えた第2戦。初戦で先発した松本遥翔(鹿島ユース)が体調不良のためにベンチ外となり、「まっちゃん(松本)とはずっと一緒に競い合ってやってきたので、あいつの分までやらないといけないという気持ちに自然となった」と、自分だけではない思いも背負って先発のピッチに立つことになった。

 前半は1点目の起点となるパスで魅せたものの、「思うようにいかない時間帯が多かった」と振り返るように、早々に先制こそしたものの、スムーズな攻撃は展開できず。攻撃時は3バックに変化して柴田のポジションを高い位置へ押し出す可変システムも思うように機能していなかった。

 ただ、後半はあらためて戦術的なポイントも確認し直して内容も良化。14分には得意のドリブルで相手を置き去りにしつつ、マイナスのクロスを入れて貴重な2点目をアシストしてみせた。「正直、中は観ていなかった。でも、あそこにきっと入ってきてくれると思っていた」という信頼のパスに、MF望月耕平(横浜FMユース)が応える形で生まれたゴールだった。

 ただ、試合後の柴田に満足した様子はなかった。

「終盤は足が止まってしまったし、簡単に裏を取られてしまう場面もあったし、守備は反省しないといけない。もっと強い相手だったら失点していたと思う」

 外されたことで生まれたメラメラ感は良い意味で残しつつ、しっかり反省もして、次の試合へ。柴田翔太郎の本領発揮はここからだ。


(取材・文 川端暁彦)
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