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「合わせただけ」でない先制弾…FW名和田我空(神村学園高)は“次”での爆発を誓う

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先制点を叩き込んだFW名和田我空(神村学園高)

[6.26 AFC U17アジアカップ準々決勝 U-17日本 3-1 U-17オーストラリア]

 AFC U17アジアカップ準々決勝。世界大会出場権の懸かる大一番へ、U-17日本代表は先手必勝のゲームプランで臨んだ。「立ち上がり相手を呑み込もうという話だった」と振り返るFW名和田我空(神村学園高)は、そんなプランを結実させる最初のゴールを刻み込んだ。

 前半10分、DF柴田翔太郎(川崎F U-18)のロングスローからだった。「練習していた形」と森山佳郎監督が振り返ったように、とっさに繰り出したのではなく準備していたものだったが、弾道自体は想定と異なるもの。待ち構えていた長身FW道脇豊(熊本)には届かず、相手DFの頭をかすめる形になった。

「きっと競り勝ってくれると思って待っていたし、したたかに決めてやろうと思っていた」

 そう語る名和田は、ボールの軌道を見ながら、その行方を巧みに予測。相手GKやDFが反応するより素早く、ワンバウンドしたボールに反応して動き出すと、これを抜け目なく押し込んでみせた。

「こぼれてきたボールに合わせただけ」と本人は謙虚に語ったが、映像を観てもらえれば「合わせただけ」でないことはわかるというもの。そのことを問いかけると、こういう答えが返ってきた。

「目の前の相手DFの頭を越えるぞと思って『こりゃいける』と思って動いて、しっかりGKの位置も見えていましたし、冷静に流し込むことができた」

 ストライカーらしい確かなゴールへの予測力、そしてチャンスで慌てない冷静さが生んだ得点だった。ただ、試合全体を通しての自身のプレーには納得していないと言う。

「得点は取れたんですけど、それ以外のプレーでは納得できていない。ボールロストも多かったですし、まだまだ点を取るチャンスもあったので」

 だからこそ、「次」での爆発を誓う。

「自分の持ち味を出し切った試合という感覚はなくて悔いもあるので、準決勝、決勝で出し切りたい。チャンピオンになってW杯に行くというチームとしての目標もあるので、次の試合へぶつけたい」

 次こそ納得のいくプレーを出し切って結果を残し、アジア王者を奪い取る。そのチャレンジは世界での戦いにも繋がっていくはずだ。

(取材・文 川端暁彦)
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