beacon

クールにネットを揺らしたエース…U-17日本代表FW道脇豊(熊本)「頭だけじゃないところを見せられた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

冷静にチーム2点目を奪ったU-17日本代表FW道脇豊(熊本)

[6.26 AFC U17アジアカップ準々決勝 U-17日本 3-1 U-17オーストラリア]

「今日は『熊本から来た』というサポーターがいらっしゃっていて、『こういう方の分まで頑張らないといけない』と思いましたし、現地の方も含めて他のサポーターの皆さんのためにも『やってやろう』と思って試合に入りました」

 U-17日本代表FW道脇豊(熊本)は、世界切符の懸かったAFC U17アジアカップ準々決勝前の心境をそう言って振り返る。気合十分で臨んだゲームで高さ・強さに秀でるオーストラリアのDFと激しい攻防を繰り広げつつ、前半23分には最終的に決勝点となる2点目のゴールを流し込んでみせた。

 ロングパスから一気に左サイドを抜け出したDF吉永夢希(神村学園高)が出した絶妙なグラウンダーのクロスに対し、フリーになってゴール前に走り込んでいた道脇の選択肢はいくつかあった。止めて蹴るか、一発で蹴るか、左を狙うか、右を狙うか。迷って焦ってミスする選手も多いシチュエーションだが、日本のエースFWは冷静だった。

「浮かさないことをまず意識して、最後まで右に蹴るか左へ蹴るかを考えていた。DFは足があまり速くないので、追い付かないと思っていた」

 相手のことも状況も把握しながら判断を蹴る直前まで保留した上で、DFもGKも届かない位置へ丁寧な右足ワンタッチシュート。最高にクールな一発を見事に決めてみせた。

「頭だけじゃないというところを見せられました」

 186cmの大型FWはそう言って笑う。グループステージで奪った二つのゴールはいずれも「頭」から生まれたが、今度は「右足」から。長身を活かすプレーだけでなく、スピードを活かした飛び出しからシュートを決め切る力があるということもしっかり表現してみせた。

 この試合では3得点がFW登録の3人、すなわち道脇とFW名和田我空(神村学園高)、FW高岡伶颯(日章学園高)の“九州トリオ”から生まれた。

「(高岡)伶颯が決めてくれたのが本当に良かった。あれで本当に助かった。(高岡は)ここまで決められなくて悔しい思いをしていたけど、良かったなあ、と」

 仲間の活躍を喜びつつ、「得点王は抜かれないようにしないと」と笑う。得点ランクは現在混戦模様だが、「次も決めて(得点ランクの)単独首位に立てるようにしていきたい」と力を込めた。世界への切符は手にしただけに、次はアジアチャンピオンとアジアの得点王を奪い取りにいく。

(取材・文 川端暁彦)
▼関連リンク
AFC U17アジアカップ タイ2023特設ページ

TOP