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GKグループで掴んだ最優秀GK賞。後藤亘(FC東京U-18)「本当にみんなのおかげだった」

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最優秀GK賞のGK後藤亘(FC東京U-18、右から2人目)はGKグループ全員で獲得した賞を喜んだ。左から高橋範夫GKコーチ、上林大誠(山形ユース)、後藤、荒木琉偉(G大阪ユース)

[7.2 AFC U17アジアカップ決勝 U-17日本 3-0 U-17韓国]

 AFC U17アジアカップの表彰式で、大会の最優秀GK賞として後藤亘(FC東京U-18)の名前がコールされた。本人は少し驚いたのだと言うが、大会通算5試合2失点で優勝したGKが選ばれることに違和感を覚える人もいないだろう。大会を通じて何度も決定機を防ぎ、チームの躍進に貢献してきたからだ。

 決勝でもそうだった。試合前から豪雨が降り注いだ環境はGK泣かせとも言えるシチュエーション。だが、「ネガティブに捉えすぎないようにした」と言う後藤は、変に慎重になり過ぎるのではなく、平常心でゲームに入った。

「絶対に一度は決定機が来ると思っていた。そこを止められるかどうかだった」

 そう振り返ったのは、前半38分に迎えた相手FWとの1対1の場面である。「最初は飛び付きに行こうかと思った」と言うが、冷静に相手との距離をジャッジしてステイすることを選択。早めに倒れるようなこともなくしっかり構え、相手のシュートを阻止することに成功した。

 これが決まって韓国が先制していたら試合の様相はまるで違っていたはずで、ゲームの流れを左右するビッグプレーだった。後半は「リードしていたのでセーフティーにいくことをまず意識した」と安全第一のプレーを心がけて対応。あわやPKかという危ないシーンこそあったものの、「みんなが体を張って守ってくれたおかげで守り切れた」とゼロ封に成功した。

 決勝でも活躍し、見事に最優秀GK賞を獲得した後藤だが、「みんなのおかげ」と強調する。常に体を張って守ってくれたフィールドの選手たちへの感謝を口にした上で、「GKグループとして戦えた」ことも大きな要素として挙げる。

 大会前、「GKグループとしてアジアの頂点を獲るぞ」と高橋範夫コーチから強調されていた3人のGKは、たった1つのポジションを競い合う関係ながら、「自分が出るとき、他の二人が本当によくサポートしてくれて助けられた」(後藤)と互いをリスペクトした関係性を維持してきた。

「一度も出場していない荒木琉偉(G大阪ユース)は絶対に悔しいはずなんです。でも気持ちを落とすことなく振る舞ってくれて、僕や上林大誠(山形ユース)が出るときに全力でサポートしてくれた。本当に感謝したいし、このGKグループで戦えて良かったです」

 もちろん、単なる仲良しグループというわけでもないのはわかっている。ここからは世界大会に向けてのメンバー入りとポジションを巡る新たな競争がまた始まるのだ。

「そのためにも、まずは所属チームで試合に出て活躍したい」とした後藤は、「もっとセーブ力を向上させたいし、世界大会に向けてもっともっとやっていかないといけない」と力強く語った。

U-17日本代表GK後藤亘(FC東京U-18)が最優秀GK賞の表彰を受ける

(取材・文 川端暁彦)
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