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[SBSカップ]U-18日本代表MF大関友翔が絶品スルーパスを連発。世代の10番を背負い続ける選手へ

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U-18日本代表MF大関友翔(川崎F)は絶品のスルーパスで決定機を演出した

[8.17 SBS杯第1節 U-18日本代表 0-1 U-18韓国代表 草薙陸]

 試合終盤、U-18日本代表の10番が、日韓両選手の中で最も目立っていた。36分、MF大関友翔(川崎F)は狭いスペースを通す絶品のスルーパス。決定機の起点となると、さらに40分には巧みなターンでDF2人をかわして持ち上がる。そして、「目が合った」FW神田奏真(静岡学園高)へ再びスルーパスを通す。10番はアディショナルタイムにも1本のパスで会場を沸かせていた。

 試合は0-1で敗戦。「負けたくなかった」ライバル・韓国に敗れたことは、とても悔しい。今大会、唯一のJリーガーである大関は自分が声を出すこと、またプレーでチームメートたちを鼓舞できなかったことへの責任を口にしていた。また、大関は前半終了間際にも距離の長いスルーパスを通したが、前半は前で係る回数や運ぶ回数もわずか。早い時間帯からチームに主導権をもたらすことも自身に求めていた。

 それでも、大関が攻撃面で違いを出していたことは確かだ。「攻撃のところで自分が違いを見せるのは今大会意識していきたい。出せたのは良かった」。後半5分の失点に絡んでいた大関は「自分のミスを取り戻してやりたい、という気持ちをプレーで表せたかなと思います」。その思いが不安のある試合終盤も、大関の身体を動かし、好プレーを続けさせていた。

 守備でも身体を張って奮闘。船越優蔵監督は個人の評価は控える考えを説明した上で、「(大関は)非常に良いパフォーマンスだったと思う。(ただし、)彼には彼の課題があるので100点満点ではなかった」と評価と指摘を口にしていた。

 大関はU-17日本代表として出場した昨年のBalcom BMW CUP で大会MVP。早生まれのMFは05年生まれ世代の中心選手だ。今大会は「背負いたいと思っていた」という10番。常にこの代表チームで10番を背負えるように、今大会も、チームに戻ってからも活躍し続けることを誓う。

 これまで世界と戦うことが少なかったという大関はこの日、国同士の真剣勝負を体感。勝つために、気持ちの強さや走ること、戦うことの重要性を再確認していた。25年U-20ワールドカップ、28年ロサンゼルス五輪へと続くチームを「自分が引っ張りたい」と明言するMFは攻撃面で違いを出すことに加え、リーダーとして先頭に立って走り、戦う。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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