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キミッヒに刺激受けた川崎F大関友翔「いつでも縦に刺せるのは自分も意識している」バイエルン相手に18歳で堂々プロデビュー

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MF大関友翔

[7.29 Jリーグワールドチャレンジ 川崎F 0-1 バイエルン 国立]

 川崎フロンターレ期待の18歳が、ブンデスリーガ王者・バイエルンとのJリーグワールドチャレンジでトップチームデビューを果たした。

 昨季の高円宮杯プレミアリーグEASTを初制覇した川崎F U-18で10番を背負ったMF大関友翔はバイエルン戦の後半30分、中盤の一角で途中出場。試合の入りから堂々としたボールタッチを見せると、ときおり相手の激しいプレッシングに判断を迷う場面は見られたものの、広い視野と技術を活かした展開力で攻撃を前進させていた。

 天皇杯2回戦の栃木シティ戦、同3回戦の水戸戦でもベンチ入りしていたが、これが事実上のトップチームデビュー。公式戦ではないため出場記録には残らないが、Jクラブ同士の練習試合とは異なる雰囲気、異なる強度の中でプロ選手としての第一歩を踏み出した。

 試合後、大関は「自分自身すごく緊張するかなと思っていたけど、そんなに緊張しなかったし、意外と相手も見られた。自分が慌てることはなかった」と振り返りつつ、「天皇杯で2回メンバーに入って出場できなかったという悔しい思いは本当に持っていたし、まだ公式戦デビューとはいっていないけど、そういう舞台に立てる準備は麻生からやってきた。そういう所は少し出せたと思う」と手応えを口にした。

 平常心でプレーできたのは、日頃から質の高い選手たちとトレーニングしているという自負があったからだ。

「練習で(大島)僚太さんだったり(脇坂)泰斗さんの落ち着いたプレーを見ていて、この人より上手い人が日本にいるのかなと思うくらいにレベルが高い。そういった中で自分がやれていればこういう相手にもやれるのかなと思っている。偉大な先輩たちのいいところを盗みながら自分の良さを出すことは常に思っている。気負いすぎることなく、練習どおりをやるということを意識してやれている」(大関)

 またこの日は、相手のスター選手からも大きなインスピレーションを得ていた。出場するまでベンチから戦況を見つめていた大関だが、なかでも印象に残ったのはドイツ代表のMFヨシュア・キミッヒ。「いつでも縦に刺せるボールの持ち方はベンチから見ていても、出さないけど出せるよみたいな雰囲気を出しているのがすごいなと思った。何気ないボールを置く位置もすごかった。自分も活かしたいとベンチから見ていて思った」。自らにも重ねながら刺激を受けていたという。

「キミッヒ選手はいつでも縦に刺せるところにボールを置いているし、何回も触って覗きながらプレーしている。ベンチから見ていてもどこに出すのかわからないなと思った。自分としてもいつでも縦に刺せるのは意識していて、そこが自分の良さだと思っている。自分はまだまだだけど、キミッヒ選手みたいにいろんなところに顔を出して、いろんなところから縦パスや展開をできる選手になりたい」(大関)

 そんなトッププレーヤーへの第一歩を踏み出した18歳。「バイエルンのゲームで見るような選手たちとできたのは自分自身にとっても自信になるし、刺激になった」と目を輝かせつつも、「でも公式戦デビューという意味では実現していない。少しでもリーグ戦、カップ戦に絡んでいけるように、今日得たことをまた活かして麻生で練習に取り組んでいきたい」と地に足をつけ、日々のトレーニングに励んでいくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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