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“個人昇格”へ猛アピール。U-17日本代表MF大関友翔がBalcom BMW CUPの大会MVPに

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U-17日本代表MF大関友翔(川崎F U-18)が大会MVPに選出された

[8.11 Balcom BMW CUP第3日 U-17日本代表 5-1 クラブ・レオンU-18 広島広域公園第一球技場]

 プレミアリーグEASTで無敗首位を走る川崎フロンターレU-18のバンディエラ、U-17日本代表MF大関友翔(3年=FC多摩ジュニアユース出身)が「HiFA 平和祈念 2022 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」の大会MVPに選出された。

「自分からしたら一個下の代に早生まれとして入っているんですけれども、中心としてやっていかないといけないと思っていますし、(年代別日本代表で)個人昇格してチームメートの高井幸大だったりが入っているU-19やU-18(日本代表)の方に呼ばれていきたいと思っているので、良いアピールができたかなと思います」。他の遠方組とともに表彰式前に会場を離れた大関だが、試合直後に語っていた手応え。全試合で先発、アシストを記録して勝利と評価も得る大会となった。

 05年早生まれの大関は、高校2年生中心のU-17日本代表でリーダー格の一人。ダブルボランチの一角として、優勝を懸けたクラブ・レオンU-18戦に先発した。前半、「得意」という右サイドからの右足FKで2つのアシストを記録。得点したFW後藤啓介(磐田U-18)も絶賛したキックについて、大関は「ゴールはできなかったですけれども、アシストで結果を示せたのは良かった」と喜んだ。

 ボールロストすることなく、正確な動きで攻撃を組み立て、ミドルレンジからの好パスを連発。DFライン背後、それも抜け出して来る味方SHのスピードが落ちない位置へパスを通して決定機を創出した。また、守備面では献身的に相手選手への寄せを継続。時に外国人選手のパワー、スピードに剥がされそうになりながらも、食らいついて相手の攻撃を遅らせ、ボール奪取に繋げた。

 この日は川崎F U-18でチームメートのMF由井航太(2年)とダブルボランチ。中盤守備で非常に効いていた後輩MFとのコンビの質と量は、前半を4-0で終えたチームにとって大きな要因となっていた。

 大関は「チームでも由井がいるから自分が前に出て行けますし、由井のお陰で自分は好きにやらせてもらっている部分が多いので。自分が中心として見られがちですけれども、由井があっての自分だと思っています。陰のところで由井が活躍してくれているというのがあるんですけれども、凄い感謝していますし、一番やりやすいボランチだと思っています」。U-17代表は28年ロサンゼルス五輪世代。世代を代表する2人の実力派ボランチが川崎F U-18、U-17代表から継続してトップチームや五輪代表でコンビを組むことは決して夢物語ではない。

 目標をクリアするために、やらなければならないことはまだまだある。本人も「(U-17日本代表にいたらいけない)と言われるくらいの活躍をしないと個人昇格できないと思うので、もっともっとやっていかないといけない」と自覚するように、よりチームを勝たせるプレーをしていかなければならない。

 6月に来季からの川崎Fトップチーム加入が決まり、周囲からの見られ方も変わってきている中、「(どのような状況でも)自分は違いを見せることをもっともっと意識していかないといけない」。川崎F U-18では優勝を期待されたクラブユース選手権でベスト16敗退。「全員立ち直れないくらい悔しい思いをした」ことは、年代別日本代表での個人昇格とともに、残り半年となった高校ラストシーズンへのモチベーションだ。プレミアリーグ優勝という結果を残し、川崎F U-18のチームメートや長橋康弘監督らコーチ陣と笑ってシーズンを終え、新たなステージへ進む。

(取材・文 吉田太郎)

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