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U-22日本代表 U23アジアカップ予選・アジア競技大会メンバー発表 大岩剛監督会見要旨

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大岩剛監督 ※写真は過去のもの

 日本サッカー協会(JFA)は1日、千葉県内で記者会見を行った。AFC U23アジアカップ カタール2024予選に臨むU-22日本代表メンバー23人、アジア競技大会に臨むU-22日本代表メンバー22人がそれぞれ発表され、会見では大岩剛監督が質疑に答えた。

 2024年パリオリンピックを目指すU-22日本代表は、U23アジア杯予選の4か国総当たりのグループリーグでグループDに入った。6日にパキスタン、9日にパレスチナ、12日にバーレーンと対戦する。11組のグループで、各組1位と各組2位の成績上位4チームが来年4月にカタールで行われるAFC U23アジア杯に出場できる。さらに同大会の上位3チームが五輪出場権を獲得し、4位チームはアフリカ予選4位チームとのプレーオフに進む。

 また、U23アジア杯予選後には20日からアジア大会に出場する。2大会では異なるメンバーで挑むことになる。グループリーグで20日にU-24カタール代表と、25日にU-24パレスチナ代表と対戦する。

【会見前半:U23アジア杯予選】
大岩剛監督
──欧州遠征の主力と、U-20世代の選手も加わった。選考の基準は。
「パリオリンピック出場を懸ける大事な公式戦。われわれが当初から活動して、積み上げてきたことをよく知る選手たちを中心にして選んだ。U-20で活躍した選手、いまJリーグ、海外で活躍した選手を中心に選考した」

──欧州遠征で手応えを感じたところだが、アジアでの戦いになる。選手に求めたいことは。
「アジアのチームと戦うのは、一年前にウズベキスタンでやったU23アジア杯以来。いろいろな厳しい条件、環境も含めて、さまざまな条件の中でやる上で、選手たちにはしっかりと精神的な部分、チームとしての戦術的・技術的な部分でタフさを求めていきたい。3連戦の集中開催なので、すべての試合でいい内容を、全員で一体感を持って戦うことを要求したい」

──暑さが厳しいバーレーンでの暑熱対策はどうか。
「日中は40度近くなるという予想はしている。試合時間も夜9時半から、3試合目は6時半から、非常に暑い中でやらなければいけない。その2点はしっかりと把握している。日本の選手たちはこれだけ暑い中で試合をしているので、暑熱順化というところでは、海外の選手が必要になると感じている。所属チームに配慮しながら、われわれの選手たちにもアプローチしたい」

──直近で移籍した選手も多い。状況はどれくらい把握しているか。
「率直に言って細かいところまで把握はしていない。コンディション面は各チームのコンディショニングコーチと共有はしているが、チームにどのようにアジャストしているか、選手側からのリサーチはできていない。現地で合流した際には、そういう面もしっかり把握してチェックして、どの試合でどう起用するかコミュニケーションを取りたい」

──パリ五輪を見据えて、今大会でチームとしてどう高めていきたいか。
「この大会でどう高めていきたいかより、ここでは結果が求められる。スタッフも選手もまずはそこが第一。何か高める意識よりも、まずは一戦目の試合に向けて準備をしていくこと、その試合にスタッフ全員と選手23人全員が一体感を持って臨むことが第一。それが2戦目、3戦目につながる。われわれが勝ち上がることが次につながる流れになる。まずはひとつ目のパキスタン戦で全力を尽くしたい」

──アジアとの戦いで気をつけたいところはあるか。
「試合に入ったときに予想している以外のことを(相手が)スタートからやってくる可能性がある。そういうことに対しての準備をしておきたい。言い方は変だが、ラフなプレーや納得できない判定に引っ張られないように、しっかりと準備したことをフィールドで出す。そういう中で自分たちがどう相手に向かっていくのかというところを準備したい」

──国際Aマッチウィークで海外組を招集する上で難しさはあったか。
「交渉の上では、IW(国際Aマッチウィーク)で難しいと感じることはなかった。海外組のコンディションにすごく気を遣いながら、彼らの置かれている状況をしっかりとリサーチした上で招集することができた。Jクラブもそうだが、クラブが非常にいいコミュニケーションを取ってくれて、そういう面では自信を持って招集している」

──U-20世代から高井幸大中野伸哉松木玖生が選出。チーム内でどう立ち振る舞ってほしいか。
「選ばれたからにはわれわれのスタイル、プレーモデルを把握した上で、ピッチ上で存分に発揮してほしい。彼らを特別扱いする必要もない。若く勢いがあり、野心がある。そういうものはしっかりと出させてあげられるように場を作って、伸び伸びとプレーしてくれることが、このグループで活動している選手たちの刺激になる。競争力を上げるために非常に大きな力になってくれる」

──対戦相手の情報の落とし込みはどうか。
「初戦前日には全員が揃って練習できるスケジュール。しっかりとチームの分析も行っている。その中でまずわれわれがどうプレーしていくのか、戦術のトレーニングをすべてやらなければいけない。ミーティングも含めて時間の中で全員に共有させて、チーム力を上げたい。すべての選手が100%のコンディションで各試合に臨む意識で、われわれのグループを前進させていきたい」

──バスケットボール日本代表がパリ五輪の予選で2勝した。同じパリを目指すチームの活躍はどうか。
「全部観たわけではないが、昨日のベネズエラ戦も観させていただいた。前半は観ていないが、後半はすごく躍動していた。会場との一体感はすごく興奮させられた。われわれもピッチの中でアグレッシブに戦うことで、周りの皆さんを巻き込みたい。パリを目指すグループが皆さんに認知されて、応援される。後ろから押されて勢いが出るような試合にしていきたい。刺激を受けました」

──対戦する3チームの印象はどうか。
「われわれと同じ年代で活動している国が少ない。チームで試合をしたり、強化をしているグループが分析しづらく読みづらい。予想をした以上で違う部分があると思うので、そういう範囲でゆとりを持ちながら、ピッチに入った瞬間から注意力を持ってアンテナを高くして情報を入れることも必要になる。パレスチナもバーレーンも手強い。そういうサッカーに対応して、やってきたスタイルを厳しい環境でも出していきたい」

【会見後半:アジア大会】
大岩剛監督
「U23アジア杯の遠征から連続でこの大会に臨むという難しい状況。そういう中でベストメンバーの招集をお願いして了承を得た。このチームでしっかりと優勝を目指す。厳しい日程だが、チーム力をしっかりと発揮した上で臨む大会にしたい」

──アジア予選に呼ばれなかった選手という位置づけになる。選手に見せてほしいところはあるか。
「いろいろな立場、所属チームがある中、どのようなことをピッチで表現するのかをしっかり共有して、選手が力を発揮できる環境を作りたい。選手たちもお互いが共有できる気持ちでやっていきたい。その積み上げで決勝で勝つという大会になればいい。大会」

──アジア大会メンバーに海外組の松岡大起(グレミオ)、佐藤恵允(ブレーメン)が入った。
「彼らもU23アジア杯のラージグループに入っていた。われわれのスタンスは優勝を目指すということ。スタッフ同士と再確認した上で、選手たちを招集した。(海外組の)彼らは今までの活動にも参加してくれている。グループのやり方、役割をしっかり選手たちにつないでくれることを期待している。その姿を見せることで大会中に一回り、二回りも大きくなるように、先頭を走ってほしい」

──チームスタッフは2大会連続というハードスケジュールになる。2つの大会に臨む意義や狙いはあるか。
「IW期間外だが、この大会でしっかりと勝利することがまず大事。その中で選手が成長し、ラージグループからコアのグループに顔を出していけるようにしたい」

──アジア大会は大学生のみという話もあった。Jリーガーも含めて招集した狙いはあるか。
「いろんな要因があった。登録期間もものすごく関わってきた。優勝を目指す上でレベルの高いチームを作りたいと思っていたし、大学生もラージグループの中にいる。しっかりと成長も含めて選考はしたつもり。大学生だけと言われているが、われわれは一切考えていない。優勝に向けて一番レベルの高いチームを作る中で、いろいろな条件を踏まえた上で、今回の選手たちになった。日本代表という責任と自覚を持ってこの大会に臨んでほしい。最前線で走っていくことを認識した上でわれわれはしっかりと臨む」

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ
●第19回アジア大会特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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