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高みを見つめて“A代表経由”へ…U-22日本代表MF斉藤光毅は今季好発進も「もっと上に行きたい」向上心

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MF斉藤光毅

 “A代表経由”に最も近い選手かもしれない。MF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)は昨年11月以来のU-22日本代表招集。昨季はオランダ・エールディビジで7得点5アシストを記録し、今季も第3節で2ゴールを挙げる活躍を見せたパリ五輪世代の筆頭は「確実にチームでの立場も作れている。自分自身のプレーも良くなっている」と手応えを語った。

 2024年パリオリンピックを目指すU-22日本代表は、その一次予選も兼ねるAFC U23アジア杯予選に臨む。斉藤はオランダ・エールディビジの開幕節は負傷で欠場したものの、第2節で今季初先発。第3節では後半8分に味方のシュートのこぼれ球を決め切ると、その9分後にも地を這うミドルを決めて2得点をマーク。好調を維持したまま、アジアとの戦いに挑んでいく。

 2年目に突入しても、昨季終盤の好調をキープする。斉藤はチームでの立ち位置を確立したことが要因と明かす。「(好調の)要因はたくさんある。その要因を一つひとつ自分の引き出しにしながら、次に同じような現象が起きたときに対処できるようにしたい」。成功体験を着実に積み重ねている実感を強調した。

 それでも斉藤はひとつの手応えを語りながら、A代表の活躍を口にすることで自身を戒める。同世代の久保建英を始め、日本代表の面々も今シーズン開幕から躍進が続く。「A代表の人たちもみんなトップレベルで活躍している。自分はそこを目指しているので、それ以上の結果を残さなきゃいけない。それは本当に常々思っている。どれだけ結果を残しても、どれだけいいプレーをしても満足できない。そこはもっとがんばっていきたい」と一切の慢心も見せなかった。

 “A代表経由パリ五輪行き”を掲げる大岩剛監督体制が発足してから一年半が経ち、いよいよパリ五輪に直接つながる公式戦が始まる。本格スタートを前に、ここまでの道のりでどれだけ理想形に近づいたのか。その問いに「完成している姿をイメージしていない」と自身の成長を留めず、「常にラインを決めずにやっているので(理想形は)わからないですけど、もっと上に行きたいと思っています」と答えた。

「上のカテゴリーに行ってからここに戻って、自信満々に引っ張るというのがいい状況ですけど、そこは変えられない。いまの自分の立ち位置が自分にとってのベストと信じることが、自分の選択を正解にしていく材料だと思う。そこは理想とかを考えすぎずにやっていきたい」

 固い決意とは裏腹に、代表活動ではいつもと変わらぬ笑顔。情報が少ない対戦相手にも「やることは決まっている。いままで積み上げてきたものより良いものを出す」と腹をくくる。「相手の戦術も関係はあると思いますけど、根本的なところは変わらず、全員でやっていきたい」。高みを目指す男の覚悟を垣間見せていた。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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