beacon

前回追加招集から欧州遠征メンバー入りのMF伊藤敦樹「次のW杯は自分の最大の目標」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF伊藤敦樹(浦和)

 6月シリーズの追加招集で巡ってきたチャンスを活かし、日本代表定着への足がかりを作った。4日のドイツ遠征初日の練習後、MF伊藤敦樹(浦和)が報道陣の取材に応じ、「前回が終わってまた呼ばれるためにチームでプレーしていたし、今回呼ばれることができてそこは素直に嬉しい。ここから2週間弱の活動を大事にしていきたい」と意気込みを語った。

 今年6月の国際Aマッチウィークでは当初のメンバーには入っていなかったものの、合宿2日目に体調不良者が出たことで追加招集された伊藤。移動の関係で試合前日の合流となり、試合前に全体練習には参加できなかったが、キリンチャレンジカップ・エルサルバドル戦では後半21分からピッチに立ち、念願のA代表デビューを果たした。

 またその後はJリーグでも相手選手の警戒が集まってくる中でも、攻守に幅広いタスクを遂行。その結果、森保一監督の評価は揺るがず、今回の欧州遠征で初めて発表時のメンバー入りを果たした。

「1回代表に呼ばれたことで、対戦相手からの目線であったり、いろんなサポーターだったり、サッカーを見ている人たちからの期待だったりが大きくなっている中で、プレッシャーも感じているけど、そこでどれだけのプレーができるかがサッカー選手としての存在意義を示せる場所だと思う」

「前回の代表が終わってからマークが厳しくなって、自分の良さを出し切れない試合が多く、個人としては正直うまくいかなかったけど、でも評価してもらっているからこの場所にいられている。いろんな人の期待、プレッシャーももっともっと強くなっていくと思うし、その中で結果を残し続けていかないといけない世界だと思うので、今回の代表活動でも、終わってからのレッズでのプレーも、結果にこだわってやっていきたい」

 これまで世代別代表の経験が多くない伊藤にとって、ドイツ、トルコといった欧州の強豪国との試合は自身の価値を示す絶好の機会だ。「レベルの高い相手とのこういう国際試合はほぼほぼ経験がないので、その中で自分がどのくらいの自分の良さを出せるか。守備の強度だったり、推進力だったり、そういう今の自分がどういう立ち位置にいるかというのを確かめる良いチャンスだと思うので、本当にガムシャラに貪欲に自分の良さを出せたらいいなと思う」と意気込む。

 これまで経験のなかったヨーロッパへの長距離移動には「家から出てから約1日くらいかかったので、めっちゃ遠かった」と苦笑いも見せたが、「でもこういう移動にも慣れていかないといけないかなとは思うので、移動含めて本当にいい経験になると思う」と伊藤。トレーナーから指示された時差ボケ対策を忠実に行い、移動の機会での過ごし方を工夫するなど、ピッチ内外でA代表への適応を進めているようだ。

 そうして目指すは3年後の北中米W杯だ。「次のW杯というのは自分の最大の目標でもあるし、前回のW杯でああいう結果を日本代表が残して、世界の舞台で戦っているのを見て、本当にいい刺激にもなったし、そこのグループの一員になれているというのは本当に光栄なこと。継続的にこれからも呼ばれ続けたいし、そういった意味でも一回一回の活動が大事になってくると思う。前回大会を経験している選手が多くいるからこそ、この次のドイツとの対戦というのは非常にモチベーションも上がる。そういう雰囲気の中で自分の存在をどれだけ出せるかだったり、こういう雰囲気の中での生活だったり、そこで練習できるというのは本当に成長につながると思うので、一日一日を大切にしてこの代表合宿の期間を過ごしていきたいかなと思っています」。アジア王者の中盤を担う25歳は欧州遠征でも結果を残し、夢舞台への道のりをつないでいく。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP