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初戦快勝のU-22日本代表、パリ五輪一次予選・第2戦はパレスチナと大一番…大岩監督&山本理仁が語る勝負のポイントは

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U-22日本代表がパリ五輪一次予選の第2戦に臨む

 U-22日本代表は現地時間9日午後9時半(日本時間10日午前3時半)、U23アジアカップ予選のグループリーグ第2戦でU-22パレスチナ代表と対戦する。8日には前日練習が行われ、冒頭15分間のみ公開された。

 6日に初戦・パキスタン戦を6-0の快勝で終えたU-22日本代表は、7日の練習で先発メンバーのフィールドプレーヤー10人がホテルでリカバリーを行った。8日のパレスチナ戦前日練習では、先発組も復帰。体調不良のGK野澤大志ブランドン(FC東京)を除く22人がピッチで汗を流した。

 2024年パリオリンピックにつながる今大会では11組のグループリーグが行われ、日本はグループDでパキスタン、パレスチナ、バーレーンと対戦。各組首位と各組2位の成績上位4チームが来年4月にカタールで行われるU23アジア杯に出場する。同大会で上位3チームに入ればパリ五輪出場が決定する(4位の場合はアフリカ予選4位チームとのプレーオフに進む)。

 グループ2位になると他グループの成績次第となるため、本大会に進むためにはグループ首位が大前提。気温35度、湿度80%のバーレーンは夜もまとわりつくような暑さが続くが、日本はまず初戦でパキスタンに6-0で勝利した。

 初戦では先発メンバーが6-0と点差を広げた上でスローペースで試合を運び、必要以上の大量消耗を避けられた。さらに終盤15分でベンチの選手たちがピッチに出て、コンディションを上げることに成功。大岩監督も「この環境で勝利することがまず大事。選手のコンディションを上げていくことが優先なので、そういう部分で非常に1戦目はよかった」と手応えを語る。

 初戦でベンチスタートだった選手たちからは、第2戦で活躍を狙う声が多く挙がる。そんな反応を耳にした大岩剛監督も目を細める。「そういう気持ちが絶対にないといけない。1戦目は緊張感もあり、こういう気候もあり、慣れる時間も少なかった。出場するであろう選手たちはそういうのを見て、そういう(次戦への意欲あふれる)気持ちになっている。注意力も増している。そういうところに期待したい」。初戦からのターンオーバーをほのめかしていた。

 第2戦の相手は、開催国バーレーンから終了間際に得点を奪って勝利したパレスチナだ。大岩監督は「しっかり守り、前線の大きな選手とスピードがある選手のカウンターで来る明確なチーム」と分析。相手に自信を持ったカウンターを仕掛けられると、手痛い失点を食らう可能性もあり、指揮官は「われわれが保持する時間が多くなる。狙いがある攻撃、ドリブルをして、後ろはリスクマネジメントをする組織づくりをしたい」と戦い方を明かした。

 MF山本理仁は初戦ベンチスタートで後半32分から約15分ほどプレー。ベンチで試合を観ていて「前半なんで動きが重たいんだろう」と感じていたというが、ピッチ上でそれを理解する。「ピッチに立ってみると、(暑さに)慣れるまではしんどいんだろうなと感じた」。次戦は先発出場の可能性もあるゲームメーカーは「最初の45分は絶対しんどくなる。そういったところを想定して臨みたい」と冷静に試合に臨むつもりだ。

 すでに勝ち点3を手にしているパレスチナは第3戦・パキスタン戦に照準を定めて、強敵・日本戦は引き分けでも御の字と考えている可能性も高い。相手が引いてくるということは、それは日本のボール保持が増えるということ。ゲームコントロールができる山本の真価が発揮される場面も増えるだろう。「行くところ行かないところ、特に僕や(鈴木)唯人が舵を取ることで、相手を揺さぶれる。自分が招集された意味を考えたときに、ゲームを落ち着かせる、ペースを握るところが求められている。そこを意識しながらやっていきたい」。アジアでの戦い方を冷静に考え、連勝への筋道を組み立てていた。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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