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パリ五輪一次予選の初戦は途中出場も「合わせていける」…U-22日本代表“海外組”MF小田裕太郎がアジアの舞台へ

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MF小田裕太郎

 パリオリンピック世代の海外組の一人として、その経験をU-22日本代表に還元するつもりだ。MF小田裕太郎(ハーツ)は大岩剛監督体制のチームで初のAFC公式大会に臨む。しかし、本人は過去3度の招集と気持ちに変化なし。7日の練習後には「日本代表で戦うときはどの試合も一緒。同じ気持ちでやっています」と平常心をのぞかせた。

 2001年以降に生まれたパリ五輪世代は今夏までに多くの選手たちが海外挑戦を行った。MF斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)のように主力となったものもいるが、定着を目指す選手がほとんど。そんな中、昨冬にスコットランド・プレミアリーグのハーツに完全移籍で加入した小田は、昨シーズン終盤に6試合連続で先発入りを果たすと、今シーズン開幕節でもゴールを記録。成長の証とともに、代表チームに合流した。

 合流はU23アジア杯予選の初戦前日。大岩監督のチーム発足直後に行われたドバイカップU-23以来の中東での戦いとなるが、やはり高温多湿の環境には苦しめられた。「気候も難しいし、環境も難しいし、相手も難しい」。アジアとの中2日での3連戦という難しさの中で、それでも小田は後半32分から途中出場すると、果敢なハイプレスでボールを奪い、さらに右サイドの突破からグラウンダーのクロスを上げ、短い時間でチャンスを作った。

 6-0とリードした中で、プレー時間は15分程度。チームの勝利に手応えを掴みつつ、「個人としても徐々にチームと合わせていきたい。きのうの感じだと合わせていける」と試合翌日の練習後に意気込みを口にした。

 海外移籍後のプレーを見たU-22日本代表のメンバーからは、Jリーグでプレーしていたときからの変化に驚きの声もあったという。本人にそれほどの自覚はないようだが、「サッカーが違いましたし、個人の能力というかベースが上がって、意識も変わった」とその理由を見出していた。

 具体的にはフィジカル面での意識向上があるという。「日本にいるときはジムでトレーニングをやっていなかった。海外ではジムワークをやったり、体のことを考えるようになりました」。国内でもヴィッセル神戸にいたときはMFアンドレス・イニエスタという最高の教材も所属していたが、プレーをする土地を変えたことが本人にとって大きなターニングポイントになったのかもしれない。「(国内では)僕の意識が甘かっただけかもしれません」と謙虚さを見せながらも、たしかな自信も垣間見せていた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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