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なでしこJ“新布陣”で2ゴールのMF長谷川唯「前のポジションで結果を出せて良かった」

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MF長谷川唯(マンチェスター・シティ)

 女子バロンドール(年間最優秀選手)にもノミネートされたなでしこジャパンの絶対的主軸が、再出発の一戦で輝きを放った。MF長谷川唯(マンチェスター・シティ)はこの日、女子W杯後初の公式戦となったアルゼンチン戦に4-3-3のインサイドハーフで先発フル出場。これまでよりも攻撃的なポジションでプレーすると、2ゴールの活躍で8-0の圧勝劇を牽引した。

 来年夏のパリ五輪に向けた再出発の一戦。なでしこジャパンは女子W杯で採用した3-4-2-1のシステムではなく、4-3-3の新布陣にトライすると、立ち上がりから相手の最終ラインをのみ込んだ。

 まずは前半2分、相手DFのミスを突いたFW田中美南が自らボールを奪って先制ゴールを沈めると、同9分にもショートカウンターでクロス攻撃につなげ、PKを獲得。これを長谷川が冷静に決めた。また同25分にはセットプレー崩れの二次攻撃からDF高橋はなが豪快なダイビングヘッドを決め、早々に3点リードを奪った。

 その後は相手が守備を固める時間が続き、試合はやや停滞ムードに。それでも前半39分、鮮やかなパス回しから見事な崩しが見られた。高橋の鋭い縦パスを最前線の田中が反転しながら収めると、そこに走り込んでいった長谷川がパスを受け、そのままドリブル突破。ゴール前まで持ち運び、落ち着いてネットを揺らした。

 近い距離感で崩したなでしこジャパンらしいパス回しを長谷川が仕上げた形。これまでは3-4-2-1のボランチでゲームメークを担っていた長谷川が、一列前のインサイドハーフで起用されたことも功を奏した。

 試合後、フラッシュインタビューに応じた長谷川は「最近は前のポジションをやっていなかったので、こういう形で前のポジションをやった時にしっかり結果を出せてよかった」と手応え。また女子W杯までは海外遠征が続いていたこともあり、「日本の皆さんにプレーを見せられていなかったので、得点という形で見せられて本当によかった」と喜びを語った。

 チームは後半にもさらに4点を重ね、8-0で圧勝。10月にウズベキスタンで行われるパリ五輪アジア2次予選に向けて弾みをつけた。長谷川はパリ五輪予選に向けて「難しい戦いになると思うけど、このチームなら上に行けると思うので、しっかりいい準備をして、個人個人が成長して次の予選に向けて戦いたい」と意気込みを述べつつ、「なかなか会う機会が少なく、自分も寂しいけど、テレビの前からでもなでしこジャパンを応援してほしいです」とアウェーゲームでのサポートを願った。
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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