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「上へ行くために得点は欠かせない」初代表・初の国際大会も委縮なし…25年鳥栖内定MF日野翔太は初先発で1G1A

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MF日野翔太 ※写真は過去のもの

[9.28 アジア大会決勝T1回戦 U-22日本 7-0 ミャンマー 杭州]

 MF日野翔太(拓殖大)にとってアジア大会は、各年代を通じて初めて「日本代表」の看板を背負って臨む公式の国際大会である。ただ、初戦となったカタール戦から、その立ち居振る舞いに萎縮した雰囲気はなかった。

「結構落ち着いて入れたし、冷静にできていたと思う」

 そう振り返ったとおりの豪胆さを感じさせる積極的なプレーを見せ、得点に繋がるFKも蹴った。トレーニングでも「レベルは高いですけど、そこまで上だと感じることはない」と語るように好プレーも披露。「自分の武器」と語る両足を自在に操るスタイルを誇示していた。

 そして初先発となったラウンド16、U-24ミャンマー代表戦でも持ち味はしっかり見せた。白眉と言えるプレーは前半12分。左ウイングの佐藤恵允(ブレーメン)がハーフレーンに走り込み、インサイドハーフの日野が左サイドに開く形が噛み合った瞬間に、「パスが通る線が見えたので」とラストパス。これを佐藤が絶妙なトラップからのシュートで仕留め、先制ゴールとなった。

「アシストできたのは良かったです。綺麗に通せたし、良いところに走り込んでくれたタイミングで出せて良かった」(日野)

 その後もパスを引き出して繋ぎ役となる仕事をこなしつつ、果敢にゴールへ絡もうとする動きを繰り返した。「走って作るところもして、最後はゴール前に関わっていく」という自身の語るプレースタイルはしっかり表現していたが、「もっとゴールに関わるプレーを出さないといけなかった」と反省の言葉も漏らす。

 7-0となるゴールを決めた場面についても「7-0のゴールだったし、(相手に)当たって決まった形だったので」とゴール後の喜びが遠慮がちだった理由を話す。ただ、「でもどんどん打っていけたことは良かった」とも語るように、得点はミドルシュートを打ち切ったからこその結果でもあった。

 カタール戦後には決定機を逃した場面を振り返り、「『惜しい』じゃなくて決め切れる選手じゃないといけない。ポジション的に結果を残さないと。自分がもっと上へ行くために、得点は絶対に欠かせない」とも語っており、自身を変革していくビジョンも明確に持っている。

 25年シーズンからの加入が内定している鳥栖での練習参加を通じて自身の課題や通用する要素も明確になっていると言う日野。「日本代表」として最初の先発試合を終えての感想は、「トレーニングからもっともっとやらないといけないと感じた」という向上心あふれるものだった。


(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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