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ストライカーの資質見せる2発…U-22日本代表追加招集・鮎川峻は“勝負のアジア大会”から「オリンピックを目指す」

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FW鮎川峻 ※写真は過去のもの

[9.28 アジア大会決勝T1回戦 U-22日本 7-0 ミャンマー 杭州]

「結果を出したい」という言葉をピッチ上で実践した。FW鮎川峻(大分)はアジア大会の決勝トーナメント1回戦、U-24ミャンマー代表戦で今大会初先発。序盤から果敢なプレーを見せると、2得点1アシストと確かな数字を残してみせた。

 追加招集のため、チームに合流したのは大会初戦となる20日。「はじめまして」の選手も多いチームに遅れて参加したハンディキャップは間違いなくあった。環境への適応という意味でも、遅れて合流する難しさはあったことだろう。ただ、ピッチ内での持ち前のアグレッシブさに加え、ピッチ外でも意識して周囲とコミュニケーションを深め、ギャップは埋めてきた。

 その成果が試される試合だった。最前線のセンターFWに入ったゲーム、持ち味の裏抜けを常に狙い続けるだけでなく、クロスボールに対しても鋭く反応を続け、前線からの守備でも粘り強いプレーぶりを発揮。そして1点先行して迎えた前半26分には最初のゴールも決めてみせた。

 DF馬場晴也(札幌)の鋭い縦パスが起点となった攻撃は、MF重見征斗(福岡大)のシュートが相手DFに阻まれて不発となったところで終わったかに見えた。だが鮎川は「相手DFがもたついたので」と、一瞬の隙を見逃さなかった。体を素早く伸ばして相手DFのボールへと触り、「うまくつけ込めた」とシュートにしてしまう。運動能力の高さ、反応の鋭さ、そして何よりゴールへの執着心を感じさせるこのプレーが、貴重な2点目となった。

 その直後には佐藤が奪ったボールを受けてのドリブルで流れながら、スペースへと鋭いスルーパス。佐藤のゴールをアシストすると、35分にはその佐藤のクロスに対してDFの間にしっかり走り込んでのシュートで自身2点目となるゴールを記録。「誰かは入ってくれると思っていた」とは佐藤の言葉だが、おいしいスペースを見付けて入っていく「誰か」になれるのがストライカーの資質である。見事なゴールだった。

「結果として出せたことが一番うれしい」

 そう言って笑った鮎川にとって、このアジア大会は「勝負の大会」。大岩体制がスタートした当初からメンバー構想に入っていたが、ちょうどチームを立ち上げて作っていくタイミングで負傷離脱。長きにわたって招集リストから漏れてしまい、出遅れてしまった。

 それだけに、待ちに待った「チャンスをもらえた」今大会へ懸ける思いは人一倍だ。「オリンピックを目指す」ために、鮎川はこの後も「チームの勝利に繋がる結果を」残し続けることを目指す。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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