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CBとSBこなす静岡学園出身・柏内定187cmの個性…DF関根大輝がU-22日本代表で感じた手応え、主力組との距離

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DF関根大輝 ※写真は練習時のもの

[9.28 アジア大会決勝T1回戦 U-22日本 7-0 ミャンマー 杭州]

 U-22日本代表DF関根大輝(拓殖大)はアジア大会ラウンド16、U-24ミャンマー代表戦で初先発を飾った。

 入ったポジションは右SB。初戦となったカタール戦では途中出場でCBに入って守備固めのような役割を託され、「状況が状況だったので凄く緊張感があった」と振り返りつつも無難なプレーぶり。同時に「このチームではCBが多くなると思う」と語っていたのだが、ミャンマー戦は右SBでのプレーとなった。もっとも、両ポジションをこなせること自体が関根の持つ特長でもある。

 これは187cm・82kgという恵まれた体格を持つからこそ。ただ、関根の特長はこの体格を持ちながら、静岡学園高出身者らしい確かな技術を備えているところだろう。「自分もそこは強みだと思っている」というドリブルで運ぶ技術やパス出しのところはどのポジションで出ても関根の個性となる要素だ。

 そして迎えたミャンマー戦。「やっぱり初先発で緊張しました」と笑ったが、「最初のボールタッチからは凄く落ち着いて試合に入れた」と言うように、すぐに試合のリズムにも順応。「まずはチームの勝利が第一なので」と守備から試合に入りつつ、「得点やアシストなど結果も残したかった」と意欲的に攻撃参加。実際に惜しい場面も作ってみせた。

「前へ出て行くプレーなど自分の個性は出せたかな」と言いつつ、「まずは何よりチームの勝利に貢献できたことが第一」と喜んだ。

 パリ五輪を目指す大岩監督のチームに呼ばれるのはこれが初めてというわけではない。6月にはヨーロッパ遠征にも招集され、イングランドやオランダといったトップレベルのチームとの差も味わった。

「この相手との戦いに選ばれる基準というのを凄く感じたし、まずスピード感がまるで違う。身体的なスピードもプレースピードもすべてが速かった」

 その上で自分が不足している部分、生き残るためのポイントを整理する機会にもなったようだ。

「そういう相手だからこそ、止めて蹴るとか細かい技術でなら日本も対抗できると思ったし、そこを出せないとこのチームでは生き残れないとも感じた。それにもちろん、シンプルにフィジカル面もより向上して差を埋めないといけないと思わされた」

 課題を大学に持ち帰って取り組んできたからこそ、今回の招集は素直にうれしかったとも言う。「1年前はまったく考えてもいなかった」というパリ五輪だが、いまは現実的に見据えるべき目標として捉え直してもいる。

 いわゆる主力組との距離がまだ離れていることは十分に自覚している。ただ、諦める気もない。アジア大会ではチームの勝利に貢献し続けることで、その距離を少しでも縮めていきたい考えだ。そしてその蓄積を大学でのプレー、そして来季加入することが決まっている柏での日々に繋げていく。そのためのビジョンはしっかり持っている。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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