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韓国に2失点喫した藤田和輝、U-22日本代表で感じた守護神たる者の条件「代表だろうとJ2だろうとJ1だろうと同じ」

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GK藤田和輝

[10.7 アジア大会決勝 U-22日本 1-2 韓国 杭州]

「2失点のうち、1つでも自分が防げていれば……」

 GK藤田和輝(栃木)は、「自分にとって初めての国際舞台」であるアジア大会の決勝、U-24韓国代表戦をそう振り返った。

 後半26分、韓国のMFイ・ガンインの強烈なFKを防ぎ、アディショナルタイムの1対1の窮地をしのぐなど、印象的なセービングも見せたが、藤田は「悔しい」という気持ちを表すのみだった。

「自分の力のなさを感じた試合でした。後半自分が1本止めたところから少し流れを持ってこられた感触はありましたけど、それだと結果に繋がっていかない。(同点ゴールの)前半のヘディングシュートをもし自分が止められていたら、そこで流れを変えられたと思う」

 ピンチでチームを救い、結果を持ってこられるGKでありたい。藤田の高い理想像からすると、「クロス1本でやられてしまった」前半の失点は、特に悔いの残るものだった。

「あそこを我慢しきれないと、強い相手には勝てない。それは代表だろうとJ2だろうとJ1だろうと同じだと思う。ああいう流れの中で1本の決定的なセーブができるかどうかだと思ったし、あらためてGKの大切さを感じた大会だった」

 移籍する決断を下して、栃木で試合経験を積み、「自信もついた」シーズンで、初めて国際大会で日本のゴールを託された。

 U-15からさまざまな年代で日本代表に呼ばれた経験を持つ藤田だが、「国内合宿には呼ばれているけれど、国際大会には行けなかった」という立ち位置だった。それだけに初めて呼ばれた国際大会で、正GKを託されて戦えたことは大きな財産でもある。

「すごく自分としてはうれしいし、楽しいとか誇りとか、自分がやってきたことは間違ってないとか、いろいろなことを思えた」

 そして、これを体感したからこそ、今後の目標も明瞭になった。

「来年、五輪のメンバーに入っていくところだけじゃなくて、ピッチに立てるようにやっていきたい」

 日の丸を付けて臨む初めての国際大会で手にしたのは銀メダル。これに満足できるはずもなく、「次」への思いを早くも募らせていた。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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