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W杯予選&アジア杯への正GK争い…ドイツ戦守った大迫敬介の「自分がこの代表を守っていく」という決意

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GK大迫敬介(広島)

 日本代表は今回の10月シリーズで、2人のGKを入れ替えて活動に臨んでいる。そうした中、唯一の連続招集となったのがGK大迫敬介(広島)。世界的強豪からの勝利で掴んだ自信を胸に、日本代表の守護神としての地位を掴み取りに行くつもりだ。

 大迫は9月シリーズの国際親善試合ドイツ戦に先発出場。安定したハイボール処理とビルドアップへの関わりで存在感を見せ、4-1での勝利に貢献した。「代表のゴールマウスを守っていく上でああいった強豪を倒していかないと自分たちの目標にも到達できないので、ああいったチャンスで結果を出せたことが自分にとって自信になった」。日本代表にとっても大きな勝利だったが、これまでA代表でのビッグマッチを経験してこなかった大迫個人にとっても貴重な機会となった。

 今回の活動では負傷離脱中のGK中村航輔(ポルティモネンセ)、所属先で出場機会を失っているGKシュミット・ダニエル(シントトロイデン)が外れ、新たにGK前川黛也(神戸)とGK鈴木彩艶(シントトロイデン)が選出。引き続き選ばれたのは大迫だけとなった。

「毎回毎回競争はあるし、その中で自分自身のパフォーマンスを出し続けないと残っていくことも厳しいと思っているので、そういう意味では危機感もある」。そう気を引き締める大迫だが、現段階で固定されていないGK争いの序列が上がってきているのは間違いなさそうだ。

 そんな大迫は今回の活動で、ドイツ戦で学んだ基準も活かしていくつもりだ。前回の活動後は広島でのプレーにも活かしている様子。「プレーのスピード、判断をもっと早くしないといけないというのは新しく得られた感覚。それはなかなか日本だったり、自分のチームでは味わえなかったこと。ああいったベースを自分の中で下げないことと、チームのピッチで表現することがこういった活動に呼ばれることにつながると思うので、自分のチームでいい感覚が得られているのはいいことかなと思う」と手応えを語った。

 また足下の技術に長けるDF冨安健洋(アーセナル)、DF板倉滉(ボルシアMG)がCBに定着したことで、GKに求められるビルドアップの役割も拡大。「後ろから下のボールで繋ぐところと、ロングボールで回避するところがあるけど、どっちを使うかという判断、自分の準備、ボールの質はもっともっと研ぎ澄ませていかないといけない。新しい課題感を持って取り組んでいる」と普段からも意識して取り組んでいるようだ。

 11月には北中米W杯アジア予選が開幕し、来年1〜2月にはアジアカップを控えている中、そろそろGKの起用法も固まってくる時期。大迫は「自分がこの代表を守っていくというのは自分の元からの目標だけど、前回の活動でそういったものがさらに高まった感覚だった。今回は新しいメンバーになるけど、自分の強みをどんどん出しながら、チャンスがあれば結果を出してやっていきたい」と決意を語った。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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