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森保Jでは得点重ねる田中碧、2ゴールも満足せず「すごくわがままだけど…」

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日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)

[10.13 MIZUHO BLUE DREAM MATCH 日本 4-1 カナダ デンカS]

 所属クラブでの鬱憤を晴らすような大活躍だった。カナダ戦に4-1-4-1のインサイドハーフで先発した日本代表MF田中碧(デュッセルドルフ)は前半2分にミドルシュートを決めると、後半4分には絶妙なゴール前への走り込みからボレーシュートを沈め、A代表では自身初の2ゴールを記録。試合前の取材対応では「ゴールに絡むところは自分の課題」と語っていたが、それを感じさせないような得点力で勝利に貢献した。

 合宿初日の9日、田中は次のようにデュッセルドルフでの現状を語っていた。「ゴールに絡むところは自分の課題。日本にいるときからゴールやアシストをそんなにしてこなかった。向こうに行ってからも全然してないし、そういう部分で信頼感も変わるし、見え方としても違うものがあると思う」。今季は途中出場での起用が続くが、現在3シーズン目で合計2ゴール2アシストにとどまっていることに危機感をあらわにしていた。

 とはいっても、日本代表では大きく異なる立場にある。この日の2ゴールでA代表通算22試合目にして6ゴール目。またこれまでのゴールを振り返っても、崖っぷちだったカタールW杯のオーストラリア戦の先制弾、W杯のグループリーグ突破をかけたスペイン戦の決勝弾、9月シリーズのドイツ戦(○4-1)でのダメ押しゴールと、重要な試合で結果を出し続けてきた。

 所属クラブでは苦しい戦いが続く中、日本代表での結果は一つの手応えになったようだ。

 カナダ戦後、報道陣の取材に応じた田中は「コンスタントに決めることはFWじゃないので難しいけど、3試合、4試合、5試合と点を取るのが大事だし、得点チャンスを作り出す、もしくはそこに絡んでいくというのは増やしていければ」と意欲。「クラブだろうが代表だろうが、大会が変わろうが、点を取ったりアシストをすることは個人として自信にも繋がる」と話した。

 もっともその一方、日本代表ではMF遠藤航、MF守田英正とのレギュラー争いで後れをとっている立場。ゴールという結果だけでは満足できない様子も見せる。

「もちろん結果に絡むことはわかりやすいので嬉しいとは思いつつも、別にそれが全てではない。すごくわがままだけど、内容が良ければ結果がなくてもいいわけではないし、両方が大事」

 カナダ戦のプレーについて「今日に関してはもっとボールを奪いに行く回数を増やして、ボールを奪い切れればいいし、ボールを保持するためによりボールを動かせるようになれればいい。点を取ったからいいというわけではなく、まだまだやらないといけない」と冷静に振り返った田中は「いいところもあればできなかったところもある。より改善していかないといけない」とさらなる向上を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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