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シリア戦キックオフ時間が突如変更に…森保監督「現実の中でベストを尽くす」テレビ中継決定も難航中

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森保一監督(写真は10月の記者会見)

 アジアサッカー連盟(AFC)は7日、北中米ワールドカップ2次予選の日本対シリア戦を、現地時間21日午後5時45分(日本時間午後11時45分)キックオフで行うと発表した。当初は同日午後8時(日本時間22日午前2時)と発表されており、試合2週間前のスクランブル変更となった。

 試合はシリアのホームゲーム扱いだが、シリア内戦の影響を受けて中立地のサウジアラビア・ジッダで開催。開催地も試合1か月前の10月20日ごろにようやく発表されたばかりで、日本代表チームはW杯2次予選の初陣にして難しい対応を迫られている。

 それでも森保一監督は8日の日本代表メンバー発表会見で変更に言及し、「まずは決定事項の中でベストを尽くすことを考えないといけない」という姿勢を強調。「現実の中で、我々は勝つためにどういう最善の準備ができるかというところと、試合中に選手個々の力やチームとして繋がりを持って、その時の最大のパフォーマンスをどれだけできるかに気持ちを持っていかないといけない」と力を込めた。

 さらに森保監督は「気持ちを持っていかないといけないというと意図的のような感じもするが、現実以外には何もない」と力説。「現実の中でベストを尽くす、現実の中で勝っていけるようにということで、これまでも考え方を共有してきた。アジアの戦いの中では不測の事態、思ってもいなかったアクシデントはたくさんあるので、ネガティブに考えるより、現実の中で自分たちが勝っていくためにやる。アクシデントなど想定外なことはあるが、自分たちが勝っていって、その経験でより大きくなれることを考えて戦っていきたい」と意気込んだ。

 試合会場のジッダは、11月でも晴天日の最高気温が30〜35度。キックオフ時間が日中に変更されたことで、気温への影響は避けられない。しかし、森保監督は「時間が変わって、気温がとかいろんなことが出てくるが、これまでもいろんなことを想定してやってきた中、変わった中で起こり得ることへの対応はしっかりしていきたい」と冷静に受け止めていた。

 一方、日本サッカー協会(JFA)の山本昌邦ナショナルチームダイレクターは「決まった環境で最善の努力をしてもらっている」と現場の姿勢に感謝しつつも、「サッカー協会の幹部、スタッフみんなが力を合わせ、AFCやFIFAに強く交渉、意見を言ってもらっている」と説明。「サッカー協会としての結束はある。これからは親善試合ではない。1試合1試合戦う準備ができているということはお伝えしたい」と述べた。

 シリア戦では開催地、キックオフ時間の決定が遅れたこともあり、日本国内でのテレビ放送が依然決まっていない。森保監督はキックオフ時間の変更に「応援してくださる皆さんにとってはよりリアルタイムで見ていただける時間になった」と前向きに述べつつも、「何を見ていただけるのかはわからないが、チェックしていただけるようになっていただければと思う」と複雑な状況に苦笑いも浮かべた。

 テレビ放送は現在、JFAがテレビ局などと調整している模様。山本ナショナルチームダイレクターは「最大限、調整をして、応援してくださる皆さんにライブでしっかりと見てもらいたい。この長くて高い成長の選手の過程を皆さんの脳裏に焼き付けてもらいたい」とし、「時間とか場所、日程が変更された中、協会内部にも負担がかかっている。テレビ局の皆さんも含め、なんとかそこに辿り着ければと思っている」と展望を口にした。

(取材・文 竹内達也)
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

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