beacon

10月のU-22日本代表初招集から2連続選出…福井太智は持ち味生かして定着狙う「ゲームを作る部分では負けたくない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

MF福井太智

 U-22日本代表の主力が揃う中盤ポジションで定着を狙う。MF福井太智(バイエルンII)は、初招集となった10月のアメリカ遠征に続く2連続での招集となった。「前回初めて行ったところで評価してもらえたのはうれしい。このチームの力になりたい」と喜びを口にした。

 今年5月にアルゼンチンで行われたU-20ワールドカップでは2試合で先発し、3試合目は途中出場と全試合に絡んだ。主力としてチームを支えたが、1勝2敗でグループリーグ敗退。約半年が過ぎ、「ああいった舞台はなかなか経験することができない」と振り返りつつ、改めて悔しさを噛み締める。「あの敗戦を次につなげられるように、大会が終わって日ごろの練習に取り組みました」。ドイツに戻ると、自チームで再び歩みを進めた。

 今年1月にサガン鳥栖からバイエルンのセカンドチームにあたるバイエルンIIに移籍した。9月15日にはブンデスリーガ第5節レバークーゼン戦でトップチームにベンチ入り。同月26日のDFBポカール1回戦のプロイセン・ミュンスター(3部)戦では途中出場してトップチームデビューも果たした。バイエルンIIではレギオナルリーガ(ドイツ4部)で13試合に出場。先月20日の第17節アイントラハト・バンベルク戦では初得点を挙げた。

 大岩剛監督体制では2度目の招集となった。指揮官はU-18日本代表を指揮したときにも福井を見ており、10月のアメリカ遠征招集時には「彼がどれくらい成長しているかを踏まえた上で今回期待して招集した」と選出理由を語っていた。

 福井はアメリカ遠征の初戦・U-22メキシコ戦では4-3-3のアンカーで先発してU-22日本代表でデビュー。初陣を4-1の勝利で飾った。第2戦・U-22アメリカ戦では終盤に途中出場して1-4で敗戦。快勝と大敗を味わい、「自分のやれることとチームのやりたいことは整理できた」と手応えを語る。

 中盤のポジションは、大岩監督体制の発足時から招集が続く主力が揃う。今回名を連ねたMF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)、MF山本理仁(シントトロイデン)、MF川崎颯太(京都)だけではなく、MF田中聡(湘南)やMF松岡大起(グレミオ)も控えている。「僕自身、この年代のボランチはすごく層が厚いと思っていた」。ポジション争いは意識せずチーム優先を口にしつつも、「そういった選手に負けたくないとは思っている」といち選手としてのプライドものぞかせる。

「ゲームを作る部分、ゲームを落ち着かせる部分、ボールにかかわり続けるというところでは負けたくないです」(福井)。18日にはU-22アルゼンチン代表と対戦する。U-20世代のときにアルゼンチンと相まみえており2度敗戦。今回の試合は雪辱戦でもある。大岩体制では初の国内試合となるが、福井自身も「プロになってからは初めて」と胸が高鳴る。「たくさんの方が見てきてくださると思いますし、そういった方々に自分の力をどれだけ見せるか」。まずは出場に向けて、準備を整えていく。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

TOP