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U-22日本代表にアジア大会メンバーから4人招集…大岩監督は「非常に成長」と高評価、未招集選手への要求は「所属チームで認められること」

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左からMF佐藤恵允、GK藤田和輝、DF山崎大地、MF松村優太

 2024年パリオリンピックを目指すU-22日本代表は、今月13日から年内最後の活動を行い、18日にU-22アルゼンチン代表と対戦する。パリ五輪をめぐる戦いに向けて活動回数も残りわずかとなる中、9月から10月にかけて行われたアジア競技大会に参加した4選手、GK藤田和輝(栃木)、DF山崎大地(広島)、MF松村優太(鹿島)、MF佐藤恵允(ブレーメン)が今回引き続き招集された。

 U-22日本代表は9月上旬にバーレーンでパリ五輪アジア一次予選を兼ねるU23アジアカップ予選を戦った。“常連組”で構成されたチームでグループ首位を確定させ、来年4月にカタールで行われるパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23アジア杯出場を決めた。

 五輪出場への戦いを終えたU-22日本代表は、その直後にすぐさま中国・杭州で行われたアジア競技大会に参加した。大岩剛監督を含むスタッフ陣は変わらなかったが、選手は全員入れ替え。一部では“2軍”とも揶揄されながらも、それを耳にした選手たちも発奮する。グループD全勝で首位通過を果たし、決勝トーナメント1回戦、準々決勝、準決勝、決勝と勝ち進んだ。

 決勝では韓国に敗れて2大会連続の準優勝に終わった。しかし、大岩監督はその成長に目を見張る。9日のU-22日本代表メンバー発表会見では改めて「あの大会を通じて非常に成長した選手も数多くいた」と称賛していた。

 アジア大会から引き続き招集された4選手のうち、GK藤田と山崎は今回が2回目の招集となった。藤田は今シーズンから栃木SCで守護神として定着。リーグ戦31試合に出場し、経験を積み続けた。4月にU-22日本代表候補合宿に呼ばれ、初招集となったアジア大会では6試合中5試合でゴールを守り、準優勝に大きく貢献した。

 山崎は昨年5月に全日本大学選抜としてU-21日本代表候補と対戦している。試合後にはパリ五輪への意識を強く語り、メンバー外の悔しさをにじませていた。順天堂大を卒業後、今シーズンからサンフレッチェ広島に加入。リーグ戦は10試合、ルヴァン杯は6試合に出場し、今年4月にU-22日本代表候補合宿を経験した。藤田と同じく初招集となったアジア大会では4試合で先発、2試合は途中出場で全6試合に出場した。

 残り2選手、松村と佐藤は大岩監督体制の常連でもある。昨年にウズベキスタンで行われたU23アジア杯も経験。選手層の厚い両ウイングを主戦場とするため、9月のU23アジア杯予選には招集されなかったが、アジア大会では経験豊富な主力として大学生中心のチームを支えた。

 指揮官はアジア大会で経験を積んだ選手たちを称えている。10月末の取材対応では「本当にひいき目なしにすごく成長した」と評価。メンバーのほとんどが国際試合未経験だったが、「代表としての責任が芽生えていた。すごくいいチームだった」と語っていた。今回の会見でも「今回は4人になったが、彼らがしっかりとアジア大会で示した姿勢を見せることで、より高いレベルになっていくことを期待して招集しました」と選出理由を挙げていた。

 招集を見送られた選手、そしてまだ未招集の選手にも、可能性は残されている。指揮官は「われわれのグループへの扉は全選手にフルオープンされている」と強調する。

「入るためには各所属クラブでハイレベルなパフォーマンスをする必要がある。極端に言えば、所属しているチームで認められることで日本代表に来ることができる。それくらいのパーソナリティと現時点でのプレーレベルの高さがあれば、われわれの目に入ってくる。高校、大学、どのレベルでもしっかりとしたパフォーマンスを出していれば招集したい」

 パリ五輪アジア最終予選となるU23アジア杯まで残り5か月、パリ五輪までは8か月ある。ひとつの大きなきっかけで代表に招集されるということは、アジア大会メンバーがこれから示してくれるはずだ。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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