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地元・静岡で日の丸を背負うU-22日本代表DF鈴木海音、磐田J1昇格も視線は来季へ「来年のスタートがすごく大事」

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DF鈴木海音(磐田/中央)

 日の丸を背負った姿を、地元・静岡で見せつける。U-22日本代表DF鈴木海音(磐田)は「地元で注目されると思っているので、それも楽しみながら」と18日のU-22アルゼンチン代表戦に意気込みを語った。

 12日にはジュビロ磐田で喜びを噛み締めた。3位で最終節・栃木SC戦を迎えると、鈴木は12試合ぶりの先発入り。DF伊藤槙人が出場停止となり、出番が回ってきた。「(10月の)代表から帰ってきてからメンバーに絡んでいなかったので急に出ることになった。もしかしたら昇格できるという試合で、すごく緊張感があった」。試合中は他会場の動向を知ることはなく、2-1で古巣・栃木を撃破。終了と同時に2位・清水エスパルスが引き分けたため、自動昇格圏内の2位浮上を果たし、大逆転でJ1昇格を知った。

「J1に上がれたことはすごくうれしい」(鈴木)。14日の合宿2日目が始まる直前、静岡県御前崎市内の練習場には「J1昇格おめでとう」のボードを持った鈴木の親子ファンが駆け付けた。昇格決定から2日が経ち、喜びとともにJ1リーグでの戦いを意識する。今季J2リーグでは22試合に出場したが、最終節までの11試合は出番なし。パリオリンピックを目指す上でも、来季J1リーグで出場機会を掴む意識は高い。

「試合に出続けてそれを掴み取らないとオリンピックも難しいと思う。チームの中心選手になっていかなきゃいけない。そのためにもっともっと成長しなきゃいけない」

 最終節の相手は、鈴木が昨シーズンに期限付き移籍をしていた栃木。リーグ戦34試合に出場し、成長のきっかけとなった。

 今回の静岡遠征では、栃木でともに過ごしたGK藤田和輝が9月のアジア競技大会で結果を残してメンバー入りをした。鈴木も「栃木で試合に出続けているから評価されている。自分もすごくうれしい。刺激をもらえる存在」と喜びを語る。現時点では国内組でJ2リーグ所属は鈴木と藤田のみということもあり、「2人とも来年どうなるかわからないですけど、お互い切磋琢磨して2人ともオリンピックに行ければいい」と力を込めた。

 しかし藤田のメンバー入りは、活躍を続ける新戦力が今後も入ってくることを示唆している。また、大岩剛監督は以前から選手たちに発破をかける意味でもオーバーエイジ枠の使用を明言。それは守備陣の可能性も高いといわれている。発足当初からチームをけん引してきた鈴木だが、今後はメンバー争いもさらに過熱していく。

 だが、鈴木はそれも織り込み済みであり、「危機感は常に感じている」と強調する。「そういう競争があるのは当然のこと。その中で自分は来年のスタートがすごく大事だと思う」。パリ五輪をめぐる戦いは来年4月にアジア最終予選が控え、突破すれば来夏に本大会が待つ。残された時間の中で「いまから競争は始まっている。勝ち残っていくためにはもっとやらなきゃいけない」と生き残りに向けて決意を新たにした。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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