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休みなくサウジへ出発…ミャンマー戦で冨安ら温存した森保監督「選手のキャリアをサポートすることも我々の役目」

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森保一監督

[11.16 W杯2次予選第1節 日本 5-0 ミャンマー パナスタ]

 北中米ワールドカップアジア2次予選の初戦でミャンマーに勝利した日本代表は17日未明、早くも21日の第2戦・シリア戦に備え、チャーター機でサウジアラビアに出発する。ミャンマー戦に向けて帰国した欧州組は短期間で厳しい長距離移動を強いられる形だが、森保一監督はミャンマー戦後の記者会見で、選手たちのコンディションに配慮した起用を続ける方針を強調した。

「これまでもそうだが、チームのためにというのと選手のためにというのを考えていて、選手のコンディション、選手の置かれている状況を考えて、これまでも我々ができる限りの対応はさせていただいている。選手のキャリアがよりいいもの、より輝くものになるようサポートすることも我々の役目だと思っている。選手が充実した所属チームでのプレーをすることが選手にとっても、所属チームにとっても、我々にとっても非常に有益なことだと思うので、しっかり選手の状況を見極めながらこれからも招集、起用を考えていきたい」

 ミャンマー戦では欧州カップ戦との連戦が続いていたMF遠藤航(リバプール)、MF守田英正(スポルティング)、DF菅原由勢(AZ)、MF久保建英(ソシエダ)に加え、所属先でフル稼働が続くMF伊東純也(スタッド・ランス)がベンチスタート。先発したMF鎌田大地(フランクフルト)のアクシデントもあり、守田は途中出場でピッチに立ったが、全体として負荷への配慮が目立つ起用だった。

 また合宿中に一部別メニュー調整していたDF冨安健洋(アーセナル)はベンチ外。ミャンマー戦後、森保監督は「冨安は本人はプレーしたいという強い気持ちを私にも我々スタッフにも伝えてくれていた中、ドクターがチェックして、ドクターの判断のもと、報告をいただいて私が最終的に決めた。本人は(プレーを)望んでいたが、休ませるべきだと決断させていただいた。アーセナルでは直近の試合でフル出場していたが、前の試合で違和感があったという情報を持っていたし、それも踏まえて選手の疲労とコンディションという部分でのベンチ外ということで判断した」と明かした。

 そんな主力を温存したミャンマー戦では5-0の勝利。コンディションに配慮しながらのメンバー編成でも見事なスタートを切った。

 21日に対戦するシリアは、同組で日本の次点にあたるFIFAランキング90位。シリア戦は最高気温30度を超えるサウジアラビアで試合が行われるため日本代表チームは気温への対応を迫られる一方、シリアは第1戦・北朝鮮戦もサウジアラビアで戦うため移動負担もなく、今回の2次予選では最難所にあたる。そうした中、ミャンマー戦の起用を受けてベストメンバー布陣を組める意味は大きい。

 森保監督は「2026年の北中米W杯に向けてアジア予選を戦っていく中、すでにいろんな想定外、アクシデントが起きているが、こういうことを乗り越えていくという部分で総合力で勝っていく」と強調。「今回も招集させてもらった中でも俺がやってやるというのを選手たちは思ってくれているし、誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能するという部分で、チームとしては経験値の幅と総合力がより高まったということで考えている」と手応えを語った。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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