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指揮官に託されたゴールマウス…21歳の若き守護神GK鈴木彩艶「いつかチームを救えると信じてプレーするだけ」

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日本代表GK鈴木彩艶

 日本代表の正GKとしてチームを救うプレーを誓った。グループリーグ全3試合に先発したGK鈴木彩艶(シントトロイデン)はノックアウト方式の決勝トーナメントに向け、「トーナメントと言っても毎試合、勝ちを目指すことに変わりはない。試合内容より結果にこだわらないといけない」と言葉に力を込めた。

 31日の決勝トーナメント1回戦の相手はバーレーンに決まった。カタールの隣国とも言える島国のバーレーンから多くのサポーターが駆けつけることも予想されるが、「(相手が)勢いを持ってくるのは当然。それに飲まれず、上回る気持ちでプレーしないといけない」と力説。たとえ完全アウェーのような雰囲気になったとしても、「そういう環境を気にせず、自分たちのプレーを貫きたい」と強調した。

 昨年9月にバーレーンで行われたU23アジア杯予選では最終戦でバーレーンと対戦。今回のメンバーでは鈴木とFW細谷真大がこの試合に先発していたが、「チャンスがありながら決め切れない試合で、固いブロックを崩し切れなかった」(鈴木)と、スコアレスドローに終わった。「早い時間の得点が大事なのと、後ろとしてはたとえ点が入らなくても焦れないことが大事」と心構えを説いた。

 90分間で決着が付かなければ延長戦、さらにはPK戦もある。GKとしてはよりその責任が強まるが、「PK戦があってもプレッシャーは普段と変わらない。PK戦になる前に勝負を決められたら一番」と冷静だ。

 24日のインドネシア戦(○3-1)で先発8人を入れ替える中、キャプテンのMF遠藤航と鈴木の2人だけがグループリーグ全3試合に先発した。試合後に森保一監督は「彼はまだ若い。いろんな経験を積んで、さらに大きくなってもらうために、厳しいけど試練を与えて、チームの勝利に貢献して、成長してもらえればと思った」と、その意味を口にしていた。

「ピッチに立つメンバーに選んでもらっている以上、パフォーマンスを発揮するだけ」。指揮官の期待にプレーで応えたい鈴木は「まだまだチームを救えていないし、いつか救えると信じてプレーするだけ」と言い切る。「日本代表として大きな大会でゴールを守る責任は大きいけど、それに捕らわれず、ピッチに出たら楽しんで日本のためにプレーするだけ」。迷いを断ち切り、自分自身を信じて、決勝トーナメント以降もゴールマウスに立つ。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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