beacon

“わがまま”攻撃陣操る右SBを大絶賛の久保建英「今日は彼がMVP」「よく国内組だと言うけど…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表MF久保建英(ソシエダ)

[1.31 アジア杯決勝T1回戦 日本 3-1 バーレーン アルトゥママ]

 アジアカップ決勝トーナメント1回戦バーレーン戦(○3-1)の試合後、取材エリアに姿を見せた日本代表MF久保建英(ソシエダ)は一人の選手への賞賛を惜しまなかった。「今日の試合は彼がMVPだと思う」「彼の良さはサッカーを知っているほどわかると思う」。尽きぬ賛辞の相手はDF毎熊晟矢(C大阪)。2ゴールに絡んだ右サイドバックとの相性の良さを強くアピールした。

 昨年9月にA代表デビューを飾った毎熊は国際Aマッチ6試合目のバーレーン戦で、前半31分に強烈なミドルシュートで左ポストを叩き、MF堂安律の先制ゴールの起点となると、後半27分には斜めのパスでFW上田綺世のダメ押しゴールをアシスト。今大会では2試合目の先発ながら2得点を導く活躍を見せ、日本のベスト8入りに大きく貢献した。

 先制点はトップ下の久保が右に流れ、MF堂安律を前に押し上げつつ、右SBの毎熊が内側のスペースに絞ったことが起点。久保は「前半は僕のところに6番の選手がマンマークをついてきて、すごい言い方は悪いけど鬱陶しいくらいのマンマークだったので……」と苦笑いを浮かべつつ、ゴールシーンにあった駆け引きを振り返っていたが、そこには毎熊への思いがにじんでいた。

「監督から中村(敬斗)選手を通じて『マンマークでタケのところについてきているから(堂安)律と入れ替わりながらやったらスペースが空くよ』と。毎熊選手のシュートも凄かったので監督のおかげかというと分からないけど、たぶん監督の指示が効いていて、僕のところに相手がつられてきて、毎熊選手がフリーになって、堂安選手がこぼれ球に詰めていた」

 そうした右サイドの役割分担について「どちらかというと毎熊選手が僕らに合わせてくれていると思う」と振り返る久保。「僕もわがままなタイプだし、堂安選手も見てわかるように、わがままなタイプなので(笑)」と冗談めかしつつ、「それに毎熊選手がうまく合わせていると思う。彼はボールタッチも残り10分あるかないかで91回触っていたし、右で預けて安定していますよね。今日の試合はたぶん彼がMVPなのかなと思います」と称えた。

 現在の日本代表は海外組が大半を占め、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグにも出場するビッグクラブ在籍者も並んでおり、世界のトップレベルを知る選手たちによってその強さは支えられている。しかし、毎熊はその中に国内組の立場で堂々と食い込み、DF菅原由勢(AZ)とのレギュラー争いで渡り合っている。

 久保はそうした状況について「よく海外組だ国内組だと言いますけど、彼みたいな選手がこうやってやることで、どこでやってるかではなく何をやってるかが日本代表に選ばれるためには大事だよということを、日本でやっている選手にも、他の国でやっている選手にも示せていると思う」と指摘。「彼の良さはサッカーを知っている人なら知っているほどわかると思う。(代表チームは)前のポジション争いにフォーカスされがちだけど、両サイドバックもし烈だと思う」と頼もしそうに語った。

(取材・文 竹内達也)

●AFCアジアカップ2023特集
▶久保・三笘・冨安らが参戦!CL・EL決勝トーナメント全試合見るならWOWOWで!
竹内達也
Text by 竹内達也

TOP