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アジア杯初戦を最後に出番がないFW細谷真央「プロ1年目を思い出す」苦境からの逆襲へ

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FW細谷真大(柏)

 初戦のベトナム戦に1トップとして先発し、前半で交代となって以来出場機会がない。決勝トーナメント1回戦バーレーン戦は初のベンチ外。パリ五輪世代のエースFW細谷真大(柏)はアジアカップを戦う日本代表において厳しい時間を過ごしている。

 イラン戦に向けて次のスタートを切ったこの日はバーレーン戦で出番のなかった選手らフィールド選手9人で、照りつける太陽の光を浴びながらパス&コントロールのメニューや心肺への負荷の大きいシュート練習をこなし、大粒の汗を流した。

「最高のパフォーマンスはコーチ陣に見せられていない。でもアピールしたい」ともどかしさも抱きながら「感覚的にはプロ1年目を思い出す。今このメンタルを経験できるのはプラスになると思う。しっかりアピールしながら序列を上げていきたい」と意気込みを口にした。

 今大会で初めてベンチ外となったバーレーン戦では「もちろん悔しさはあった」というが、反対に「外で見ることで見え方も違う」という思いもあった。スタンドから見ていたのは練習でそばにいることの多い上田綺世だ。

 細谷は「良い動きをしていたのになかなかボールが出てこなかった。でもこれを続けるのがFWには大切」と言い、「(上田とは)押し込む時間帯が多いのでスペースがないぶん、つねにセンターバックに見られているので難しいよねという話はしている。タイミング良く動き出さないとボールは出てこないのかなと思った」とも言う。

 細谷自身、ベトナム戦で何度か裏抜けを狙ったがボールを受けることができなかった経験があり、上田の動き出しから学ぶところは大きいようだ。

 バーレーン戦では2-1と1点差に詰め寄られてから7分後に上田がチームの3点目を決め、勢いづくバーレーンの気勢をそいだ。細谷は「あの1点はでかいと感じていた。FWが点を獲ると勢いがつく。次に出られるように準備するだけ。チャンスが巡ってきたときに結果を残すか残さないかでプロとしての違いが出る。そこはしっかり掴みたい」と意気込む。

 この日は長めのシュート練習が終わった後、DF伊藤洋輝と2人でグラウンドをランニングし、もう一汗をかいてコンディションを整えた。日本はバーレーン戦でMF旗手怜央が足を負傷し、残りの試合の出場が限りなく難しい状況となっている。

「ケガ人が出たがその人の分も戦っていきたいし、その気持ちを練習で見せていきたい」。決勝までいけばイラン戦を含めてあと3試合ある。細谷は最後まで足掻き続け、出番を掴むつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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