チームとしての連帯を強調し、目の前の試合に集中していることを力説した。MF伊東純也の離脱が正式決定した2日、練習後に報道陣の取材に応じた日本代表MF堂安律(フライブルク)は「たくさんの意見が専門家を含めて出ている。正直もう選手がどうこう言えるレベルじゃないところまで来ていると思うし、僕たちは専門家でもなんでもないので、みんな言いたいことはたくさんあるだろうけど、俺たちが言う必要はないというのは全員が認識している」と、自身の思いとともにチームの思いを代弁した。

　前日1日午後の離脱発表後、一度は選手側のチーム残留を希望する意見を加味し、一時的に結論が延期されたが、この日になって最終的に伊東の離脱が決定した。「簡単な話ではなくなっている。自分たちの意見も出した中で、選手たちの意見がすべて通るとも思っていなかったのは事実。ただ、何も言わなければ後悔すると思って意見を出したまでで、決定したのなら仕方ない」。堂安はそう言って、二転三転の末の離脱決定を受け止めた。

「チームのことなので。“人のことだから気にしないよ”じゃなくて、自分のことのようにみんなが考えたうえで意見を出した」。前夜の経緯をそう明かした堂安は、伊東と同じ右サイドハーフのポジションでもある。伊東の離脱となれば堂安への負担も大きくなるが、「こうなったらポジションは関係ない。ポジションのことなんてまったく考えなかったし、一仲間として考えた」と力説。そのうえで「もう(試合)前日なので、チームのためにも忘れなくちゃいけないことだと思う。勝つために全員が準備しないといけない」と、明日3日の準々決勝・イラン戦へ気持ちを集中させた。

「ファンのみんなからはアジアカップ中に雑音が増えてきてどうなんだという意見があると思うけど、そんなことに屈しないというのが僕たちの意見。そんなことに惑わされるチームじゃない」。日本の10番は力強く勝利を誓った。

(取材・文　西山紘平)

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