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パリ五輪切符を懸けた最終決戦へ、なでしこ不動の右SB清水梨紗が語る攻撃の課題「もっと前への推進力を」

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清水梨紗

 パリ五輪出場権を懸けて戦う北朝鮮とのアジア最終予選第2戦(28日、国立競技場)に向け、日本女子代表(なでしこジャパン)の右サイドバック、清水梨紗(ウエスト・ハム)が取材に応じ、勝った方がパリ五輪切符をつかむというシンプルな構図になっていることを踏まえ、「あまり考えすぎず試合に集中して勝ちたい」と抱負を述べた。

 サウジアラビアでの第1戦では右サイドハーフに入った藤野あおばとのコンビネーションでチャンスを作ったが、得点を生み出すまではいかず、シュートそのものも日本チーム全体で4本と少なかった。

 攻撃の課題について清水は「トップの選手やインサイドの選手に刺していくボールは必要だし、その中でクオリティが足りなかったという部分はあるが、トップの選手に入った時に周りに少ないというのも感じていた」と見解を披露。「自分のサイドだったら(藤野)あおばをもっとたなぴー(田中美南)の方に近づけるように言っていたが、なかなかうまくいかない部分もあった。もっと前への推進力を出していかないといけない」とゴールを奪うための道筋を語った。

 また、左サイドバックには本職でない18歳の古賀塔子が入って守備で手一杯になっていただけに、右サイドでのチャンスメークや、そこを起点にして仕留めていくイメージはもっと高めていきたいところ。清水自身も、「この間の試合では自分の方が高い位置を取ることが多かったので、右からの構成力はもっと必要だったと思う。こっちのサイドは距離感は良かったので、崩す場面をもうちょっと作れたらなと思った」と改善点を感じている。

 一方で守備に関しては「裏へのボールを警戒しすぎてDFラインが後ろに下がりすぎていたかなという部分があった」というが、「それはチームとしても共有してもらっている」とコメント。相手が後ろを5枚で来るか4枚なのかによって前線からのプレスのかけ方をこれから整理していくことについても触れた。

 千葉市内で行われたこの日のトレーニングは突風が吹きすさび、体感気温は10度前後だった実際の気温とは比べものにならないほど低かった。30度を超えていたサウジアラビアとの気温差について聞かれると、「いや、寒いですね」と鼻を真っ赤にしながら率直な返答。それでも、「試合の時に風などがこういうコンディションになるかもしれないということを今日で知ったので、いろいろな準備をしないといけない」と大一番を見据えて前を向いた。

(取材・文 矢内由美子)
矢内由美子
Text by 矢内由美子

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