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初対面は小久保玲央ブライアンにおまかせ!? 人狼ゲーム、自作プレイリスト…パリ五輪目指すチームをまとめる全力コミュ術

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GK小久保玲央ブライアン

 U-23日本代表は19日に国内合宿2日目を実施。GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)ら海外組4人が合流した。小久保は昨年9月のU23アジアカップ予選以来の招集。直近2度の代表活動からは外れており、「ちょっとでもチームに貢献できたらいいという思いでずっとプレーをしてきた。またこうやって呼んでもらえたことがすごく嬉しい」と代表復帰の思いを口にした。

 頼れる男が代表に戻ってきた。パリオリンピック出場を目指す大岩剛監督体制の初期メンバーでもある小久保は、ピッチ外での貢献も大きい。年長世代ということもあり、大岩剛監督からはチームのムードメーカーとしての役割も期待されているという。

「みんなを集めて、ワイワイ盛り上げていけたらいい」(小久保)。パリ五輪アジア最終予選を来月に控え、チーム内の緊張感も高まるなか、ひさびさに招集されたメンバーや初めて顔を合わせるメンバーも多い。小久保は19日合流ながらも、さっそくムードメーカーの役割を買って出た。

 一番のおすすめは人狼ゲームだという。「人狼はわかりやすいし、性格も出る。人狼チームになったり市民チームになったりすると、あまり話したことなかった人とも話すようになる。おまえうそつくなよ~って(笑)。人狼はおすすめですね」。大人数でやるためにアプリで楽しむ。そのためには課金も惜しまない。「自分が課金してダウンロードしています。たくさん課金しています…みんなにちょっとそこをわかってほしい」。ボヤきつつも楽しみながら率先しているようだ。

 バスのなかでは音楽をかける。代表専用のプレイリストもあるという。「みんなが歌える曲がいいので極力日本の歌をかけます」。選曲には自信があるようだが、今はまだ秘密。「パリが決まったら全部載せます。リストも公開しますよ。けっこういい曲だと思うので」と胸を張る。「口ずさんでる奴がいると……これが嬉しいんです(笑)」。自分で音楽を聴いている選手の耳からイヤホンを外させることが密かな目標だという。

 2019年からポルトガルに渡り、ベンフィカU-23に加入。今季からトップチームとの契約を果たした。トップチーム所属ながらBチームでも1番手としてゴールを守ることになり、ポルトガル2部リーグ開幕節から先発入り。1試合の出場停止を除いて年明けまでは全試合に出場していた。だが、1月20日のリーグ戦第18節以降はメンバー外が続く。ハムストリングの肉離れで戦線を離脱しており、怪我は治ったものの、現在も出場機会を失っているという。

 気持ちを切り替えながら、代表活動に赴いた。「試合に出られなかったらその分悔しいが、練習でぶつけている。こういう代表の機会で試合に出られたときにどれだけ100%でやれるか。そこだと思って毎日の練習を100%で取り組んでいる」。戦友・鈴木彩艶はA代表入りし、刺激を受けている。「逆に力になっているし、切磋琢磨したい。彩艶が行ったからおれも頑張ろうという前向きな気持ち」と目を光らせていた。

 来月にはパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23アジアカップへ。パリ五輪を「自分のなかでは通過点にできないような夢の舞台」と表現する。五輪出場のためにも今回の活動を経て、来月の激戦を勝ち抜くつもりだ。「日本国民や自分の大好きな家族に一番いい色のメダルを見せたい。(五輪は)自分にとって希望とか、そういう言葉に近い」。ピッチ内外で貢献し、大舞台を目指していく。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024(パリ五輪アジア最終予選)特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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