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酒井のドイツ移籍を後押しした大津の存在、「岡崎さんにアシストしたい」

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 U-22日本代表候補合宿が25日、千葉県内で始まり、シュツットガルトへの期限付き移籍が決まったDF酒井高徳(新潟)も参加した。ホテル集合時にはチームメイトから「おめでとう」と声をかけられ、関塚隆監督には「ビックリしたよ」と言われたという酒井。練習後、報道陣の取材に応じ、ドイツ移籍を決断するまでの経緯を明かした。

 即答はできなかった。「話を聞いたときはうれしい気持ちもあったけど、新潟でしっかり結果を出せてなくて、迷った部分もあった」。オファーが届いたときの心境をそう打ち明けたうえで、「でも、チャレンジしたい気持ちが一番強かった。これはチャンスだと思ったうえでの決断だった」と、海外挑戦を決意した。

「プロに入ったときから将来的には海外でプレーしたいと思っていた」という酒井が海外への気持ちを強めるきっかけの一つに、今夏にボルシアMGに移籍したMF大津祐樹の存在があった。11月に行われた五輪アジア最終予選に招集された大津はバーレーン戦、シリア戦と2試合連続ゴール。「大津くんが代表に来て、試合で活躍した姿を見て、以前の合宿で一緒にやったときと比べて成長したなと、外から見ても思った。(海外は)刺激が強いところなんだなと」。わずか数か月で見違えるようにたくましさを増したチームメイトが刺激になった。

「シビアな環境に自分を追い込んでどこまでできるか。海外での経験を自分に加えることで、プレーの選択肢も広がると思う。いろんなところでプレーしたいし、そこの文化をしっかり取り入れれば、また一つ成長できる」

 ドイツ人の母を持ち、もともとドイツは馴染み深い国でもあったが、普段からブンデスリーガを含め、海外サッカーの試合をよくテレビで見ていたという酒井にとって、そこでプレーする日本人選手の活躍ぶりが決断を後押しした部分もある。「当たりやフィジカルの部分は強いけど、試合を見ていると日本人のうまさやスピードも通用している。日本人の良さを出していきたいし、香川さんや岡崎さん、(内田)篤人くんとかが向こうで活躍していて、いいイメージもある」と力強く語った。

 移籍が決まると、チームメイトとなるFW岡崎慎司に連絡を取ったという。「『よかったな、同じ日本人が来てくれるのは心強い』と言ってもらえた。いつか岡崎さんにアシストできたらうれしい」。そうはにかんだ20歳のSBが海を越えて、さらなる飛躍を目指す。

(取材・文 西山紘平)

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