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香川の五輪招集は困難、原委員長「その先も考えないといけない」

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 日本サッカー協会の原博実技術委員長はロンドン五輪本大会でMF香川真司(ドルトムント)を招集するのは困難との考えを示唆した。国際サッカー連盟(FIFA)は3月の理事会で、ロンドン五輪で各国代表チームに選出された23歳以下の選手について、所属クラブに対し派遣を義務化することを決定。U-23世代にあたる香川の五輪招集をクラブ側が拒否することはできなくなった。

 とはいえ、香川は6月にW杯アジア最終予選3連戦を控えるA代表でも中心選手。欧州がシーズンオフにあたる時期にW杯予選、さらには五輪と長期間にわたって代表チームに拘束されれば、十分なオフを取ることはできない。まして香川は今夏の移籍が確実視されており、来季開幕前の大事な時期に新チームへの合流が遅れる可能性が高い。

 トゥーロン国際大会のメンバー発表記者会見では、関塚隆監督に「五輪本大会で香川を招集する考えはあるのか」という質問が出た。ところが、原委員長が「監督には答えにくいでしょう」として代わりに回答。「監督は五輪のことを考えるが、僕の立場としては五輪だけでなく、その先も考えないといけない。五輪を軽視しているわけではないが、五輪より大きなイベントもある。呼ばないとも決めていないし、呼ぶとも決めていない」と言葉を濁した。

 あらためて「監督は香川を呼びたいのか?」と質問が飛ぶと、「それは呼びたいでしょう」と原委員長が答え、会見場では笑い声も起こった。その後、関塚監督がマイクを取ったが、「呼びたいとは思っている。ただ、それぞれのタイミングで状況も変わる。その時点でのベストなチームを編成したい」と言及するにとどまった。

(取材・文 西山紘平)

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