beacon

アウェーでの徳島戦に闘志を燃やす、横浜FCの2CB

このエントリーをはてなブックマークに追加

 再会を待ちわびている。現在、チーム記録となる5連勝中の横浜FCは、9日にアウェーで徳島ヴォルティスと試合を戦う。この試合を心待ちにしているのが、DFペ・スンジンだ。昨季まで3シーズンに渡って徳島の最終ラインの一角を務め、昨シーズンはJ1昇格まであと一歩のところまで迫った。「自分を成長させてくれたチームなので、楽しみです。ただ、意識しすぎると逆効果になってしまうので、冷静に戦いたい」と韓国人DFは口にした。

 もう一人、徳島戦を待ちわびている選手が横浜FCには、いる。熊本戦(2-0)で2試合ぶりにスタメン出場を果たしたDF森本良だ。名古屋U-18、中京大を経て横浜FCに加入したCBは「知っている選手が多いので勝ちたい」と力を込める。FW津田知宏は名古屋U-18時代の2つ先輩であり、GK長谷川徹は名古屋U-18時代の同期で、MF花井聖も、一つ下の後輩だった。また左SBでプレーするDF那須川将大は、中京大時代の先輩だった。森本は「徳島戦は(ペ・)スンジンが頑張ってくれますよ」と笑いながらも「後ろが完封することができれば、負けることはない。それに今の前なら点を取ってくれる」と、チーム初の6連勝への意欲を見せた。

 2人が口をそろえたのが、津田とFWドウグラスという徳島が誇る2トップの脅威だ。「相手の攻撃のポイントはFWなので。あの2人は裏のスペースを狙ってくるので、後ろのスペースをケアして守りたい。動きを抑えたときは、ボランチがプレスバックして挟み込んでボールを取りたい」とペ・スンジンは対応方法を語ったが、決して簡単にはいかないと続けた。

「2年間、一緒にやっていたので特徴は分かっています。でも、それを知っていて89分間守っても、残り1分で集中を切らして失点したら意味がない。そういうところを突いてくる選手たちなので、90分集中して守り切ることが大事」と、警戒心を強める。

 森本もペ・スンジンに同調する。「徳島は2トップが速いから、一発が出てくるという話があったので、そこのケアもしないといけません」と言い、「ユース時代から津田くんはすごかったイメージしかないですからね。昔からゴリゴリと突破していましたね。スピードがあって、シュートもしっかり入れてきます」と、敵として対峙することになるユース時代の先輩を警戒した。

 森本には苦い記憶も残っている。昨シーズン、横浜FCはアウェーの徳島戦に1-4と大敗した。また、鳥栖の強化指定選手として臨んだ一昨シーズンの敵地での徳島戦も、森本はスタメン出場したが、1-2と苦杯を舐めている。「あのスタジアムには良い思い出がない」と振り返る森本だが、徳島の攻撃をけん引する2トップ封じに自信を見せる。「うちの2トップと対戦することに比べたら、大丈夫です。言い方は悪いですけど、大久保(哲哉)さん、(田原)豊さんこそ、化け物ですから。普段の練習から、あの2人と対峙しているので上手く対応できるはず。僕自身も、3度目の正直で勝ちますよ」と徳島戦への決意を語った。

 ペ・スンジンも、負けるわけにはいかないと言う。「昨年の徳島もベテランと若手が融合して、すごく良いチームでした。でも、今年は横浜FCの方が良いチームだということを証明したい」と、古巣との決戦に闘志を燃やした。かつてのチームメイトとの対戦を待ち詫びる2人のCBは、2試合連続の完封勝利、そしてチーム新記録の6連勝を目指す。

(取材・文 河合 拓)

TOP