[6.13 J2第19節 横浜FC 0-1 大分 ニッパ球]

　J2は13日、第19節を各地で行い、チーム記録の6連勝中で10位に浮上した横浜FCはホームに6位の大分トリニータを迎えた。前半途中から大分を圧倒していた横浜FCだが、後半15分に一瞬の隙を突かれて失点を許す。その後も大分ゴールに迫ったが、最後まで得点を挙げることはできず。7試合ぶりに完封され、連勝も6で止まった。

　中3日で迎えた一戦で、横浜FCは前節からMF中里崇宏、FW田原豊に代えて、MF高地系治、FWカイオをスタメンで起用した。対する大分も出場停止のMF宮沢正史、MFイ・ドンミョンの2人に代わり、DF安川有、MF為田大貴が先発している。

　立ち上がり、両チームともに高い位置からプレスを掛ける展開の中で、チャンスをつくり出す。まずは大分が8分にFKを獲得すると、MF石神直哉がシュート。壁に当たり跳ね返ったボールを為田がシュートしたが、ボールは右に外れて行った。横浜FCも10分にカイオが左足で強烈なシュートを放つ。しかし、わずかにゴール左に飛んだ。同14分にも中盤でこぼれ球を拾った高地がミドルシュートを狙ったが、ボールはGK清水圭介にキャッチされる。

　28分に横浜FCはスルーパスからカイオが最終ラインの裏を狙ったが、飛び出してきたGKが先にボールをクリアーする。同30分には右サイドからMF武岡優斗が上げたクロスがDFに当たり、ゴール前に高く浮いた。これをFW大久保哲哉が頭で合わせたが、シュートはGK清水が防ぎ、得点は生まれない。33分にもDF阿部巧がGKまでプレスを掛けにいった横浜FCは、中盤でDFペ・スンジンがボールを奪い、最後は大久保が強烈なシュートを放ったが、ボールは右サイドネットに外れた。

　同35分にはDF阪田章裕からボールを奪ったカイオがPA内に持ち込みシュートするが、GK清水にキャッチされる。その1分後にもPA外から武岡がシュートを放ったが、ボールはGK正面に抑えられた。同34分には緩急の利いたドリブルで右サイドをえぐった武岡が速いボールを中に折り返すが、2トップは合わせられなかった。前半終了間際にも横浜FCは細かくパスをつなぎ、PA内に入ったMF佐藤謙介が左足でシュートを放ったが、ボールはゴールの左に外れる。多くのチャンスをつくった横浜FCだったが、得点を挙げられずに前半を折り返した。

　前半の勢いそのままに、横浜FCはキックオフ直後にチャンスをつくる。左から大久保が折り返したボールをゴール前で武岡が合わせたが、シュートは右に逸れて行った。5分にも武岡はPA外からシュートを放ったが、ボールは左に外れる。7分にも武岡はドリブルを仕掛けてファウルをもらう。このFKを高地が狙ったが、ボールは枠の上に飛んだ。

　後半13分、流れを変えたい大分の田坂和昭監督は、MF村井慎二を下げて、FW高松大樹をピッチに送り出した。16分に大分は中盤で横浜FCのパスをカットすると、速攻から高松がシュートを狙う。DFに当たってコースが変わったが、GKシュナイダー潤之介が反応し、しっかりとキャッチした。

　高松が入り、それまで森島だけだった前線の基準点が増えたことで、大分も前にボールを運べるようになる。後半20分にはMF西弘則が右サイドを突破し、DF3人をごぼう抜きにする。折り返しをMF三平和司が決めて、劣勢を強いられていた大分が1-0と先制した。

　1点を追う形になった横浜FCは同26分には左サイドから阿部が入れたクロスにカイオが飛び込む。しかし、大分DFが寸前でクリアーし、ピンチを凌いだ。同29分に横浜FCは佐藤に代えてMF野崎陽介をピッチに入れた。同32分に大分は足をつった安川に代わりDF作田裕次がピッチに入った。

　守備を固める大分をなかなか崩せない横浜FCは、36分にカイオがミドルシュートを打つが、GKの正面に飛び抑えられる。同37分に横浜FCは大久保を下げて、FW田原豊を前線に入れる。直後のCK、高地の入れたボールを田原が強烈なヘッドで合わせる。しかし、ボールは左に外れてファーストタッチでのゴールにはならなかった。大分も38分、DF土岐田洸平を下げてMFイ・ドンミョンを投入し、守備を活性する。

　後半ロスタイムにも左サイドから阿部が入れたクロスをカイオがトラップしたが、すぐに大分DFが体を寄せてシュートを許さない。ロスタイム、GKシュナイダーも含めて攻撃に出た横浜FCは、田原が打点の高いヘッドでシュートを放ったが、ゴールの上に外れた。このまま0-1で試合は終了。敵地に乗り込んだ大分が、横浜FCの猛攻を無失点に抑えて2連勝を飾った。

(取材・文　河合拓)