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リーグ戦6試合未勝利も内容に胸を張る清水・ゴトビ監督「私たちは首位に戻る」

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[6.30 J1第16節 大宮1-0清水 NACK]

「ゴールだけだ」。勝つために、この試合で何が足らなかったのか。そう聞かれた清水エスパルスアフシン・ゴトビ監督は、肩をすくめた。「パス、ポゼッション率、シュート、チャンスの数、すべて我々が上回っていたと思います。ただ、ゴールだけは上回れませんでした」と振り返ったが、決して悲観していなかった。

 実際、シュート数では16対11と清水は大宮を大きく上回っている。立ち上がり、大宮がしっかりと守備ブロックを築いている状況では、MF小野伸二やMF河井陽介がミドルシュートを打ち、相手の守備が前進してくるように仕向けた。前半37分に右SBの吉田豊がクロスを上げFWアレックスがヘディングを打つなど、サイドからの攻撃も見せた。バリエーション豊かな攻撃を最後まで見せ、後半ロスタイムまでゴールを求めた結果、カウンターから失点を喫した。

「アウェーでの試合は勝ち点1を獲得できれば良しとするチームが多いでしょう。しかし私たちはそうではありませんでした。90分間、最後まで攻め続けました。この試合に負けたことは悔しいですが、この攻撃的な姿勢を私は評価します」

 この指揮官の考えに選手たちも同調していた。小野は「何度もゴールを脅かしていた。守備はすごく頑張ってくれているのに、攻撃陣が結果を出せないのが結果にもつながっている。打つ回数、ゴールを脅かす回数は増えているので、ゴールの枠に入れることを集中してやりたい。僕もゴール真正面からのシュートは枠に飛ばさないといけない。まだまだ自分の中での未熟さもある。やっていることは間違えていない。1点取れば流れは変わる」と前を向く。

 GK林彰洋も、「最後も攻撃に行った結果、やられてしまいました。あそこまでゼロに抑えていたので、最後の(失点の直前のプレーで)ゴールキックをあそこまで蹴る必要もなかったかもしれない。それが吉に出ず、凶に出てしまったのが悔やまれます。どこかのタイミングで1点を挙げれていれば、勝負のカギを握れていたと思います。相手GKのビッグセーブもあったし、日によってゴールは入らないことがある。それが今日だったかなと思います。でも、この戦い方を続けて行って、結果を残したい。特に守備はもっと集中して、ゼロに抑えたいです」と継続することが必要だと強調した。

「日本では首位に立ったチームが、数試合か勝てないと、多くの人がパニックに起こす傾向があります。でも、今、大事なのは忍耐強くやること。最終的には若手が成長して、しっかり結果を出せると思います。私を信じていてください。近いうちに順位表のトップに戻りますから」

 リーグ戦ではここ6試合で3分3敗。順位表では、10位まで落ちたが、首位との勝ち点差は8。悲観し過ぎる必要は、ない。「(しばらく勝てていなくて)焦りはないと言ったらウソになるけど、毎週試合はくるので。集中して次の試合に準備するだけです」。若い選手をまとめる小野は、力強く、そう言った。

(取材・文 河合 拓)

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