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清武移籍後初戦…C大阪は柿谷の2戦連続同点弾で横浜FMとドロー

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[7.7 J1第17節 横浜FM1-1C大阪 ニッパ球]

 J1第17節は7日、各地で9試合を行い、ニッパツ三ツ沢球技場では横浜F・マリノスセレッソ大阪が対戦した。横浜FMのMF齋藤学、C大阪のMF扇原貴宏、MF山口螢は明日8日からスタートする五輪代表合宿を控える中、前半31分、MF富澤清太郎のゴールで横浜FMが先制したが、C大阪も後半35分、MF柿谷曜一朗の2戦連発となる同点弾で追いつき、1-1で引き分けた。

 MF中村俊輔が負傷離脱中の横浜FMは前節の名古屋戦(1-1)と同じ先発メンバーで臨んだ。MF清武弘嗣のニュルンベルク移籍後初の試合となったC大阪はU-23韓国代表に選出されたMFキム・ボギョンも不在。2人の抜けた中盤の両サイドには柿谷とMFブランキーニョが入った。ブランキーニョは5試合ぶりの先発。また、柿谷が下がったことでFW播戸竜二が2トップの一角で4試合ぶりに先発した。
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 試合は静かな立ち上がりとなった。両チーム合わせて初めてのシュートは前半17分。齋藤のスルーパスからFW小野裕二がPA内右に抜け出したが、右足のシュートはゴール右へ外れた。C大阪は前半21分、それまでも何度か右足に違和感を訴えていたDF茂庭照幸がピッチに倒れ込み、担架で運び出されると、そのままMF横山知伸と交代した。

 いきなりのアクシデントに見舞われたC大阪に対し、横浜FMは徐々に押し込んでいく。前半27分には左サイドからドリブルで切れ込んだ齋藤を扇原がファウルで止め、扇原にイエローカードが出るシーンもあった。すると前半31分、横浜FMはMF兵藤慎剛の右CKにDF中澤佑二が競り合ったこぼれ球がFWマルキーニョスに当たり、ボールはゴール方向へ跳ね返る。これはGKキム・ジンヒョンが何とか弾いたが、こぼれ球を富澤が右足で蹴り込み、先制のゴールネットを揺らした。

 勢い付く横浜FMは前半33分、カウンターから齋藤が左サイドを駆け上がり、そのままカットインして自らフィニッシュ。同39分にも左サイドを深くえぐった齋藤のマイナスの折り返しに小野が右足で合わせたが、いずれもGKキム・ジンヒョンの好守に阻まれる。追加点のチャンスは何度もあったが、決定力を欠き、同42分の決定機も小野のシュートもGKがセーブした。

 防戦一方のC大阪は前半41分、山口が中央からドリブルで仕掛け、こぼれ球をブランキーニョが右足ミドル。DFに当たってコースの変わったシュートはゴールの枠を捉えていたが、GK飯倉大樹が鋭い反応で弾き出した。ようやくチャンスらしいチャンスを迎えたが、ゴールとはならず、前半は横浜FMの1点リードで折り返した。

 横浜FMはハーフタイムにマルキーニョスに代えてMF谷口博之を投入。谷口はそのまま前線に入り、小野と2トップを組んだ。後半2分には小野の右クロスがDFのクリアミスを誘い、谷口が右足で狙うが、シュートはGKがキャッチ。対するC大阪も同4分、柿谷が右サイドから中に切れ込み、左足ミドルを放つが、GKの正面を突いた。

 同点に追いつきたいC大阪は後半17分、カウンターから柿谷が左サイドを抜け出すと、中に切れ込み、右足を振り抜くが、GKが好セーブ。なかなか流れを引き寄せられず、同21分には播戸に代えてFW永井龍を投入した。

 2点目を取って試合を決めたい横浜FMは後半27分、MF中町公祐に代えてFW大黒将志を投入。大黒は谷口と2トップを組み、小野が右サイド、兵藤がボランチにそれぞれポジションを下げた。同29分、小野の右クロスのこぼれ球を齋藤が狙うが、DFに当たってゴールのわずか左へ。決定機を逃し、試合を決め切れなかった。

 C大阪は後半29分、プレーに精彩を欠いた扇原に代えてMF村田和哉をピッチに送り、最後のカードを切る。村田は中盤の右サイドに入り、ブランキーニョがボランチにポジションを変更。すると同35分、柿谷のひと振りで試合を振り出しに戻した。山口から横パスを受けたブランキーニョが素早く縦パス。ゴールに背を向けた状態でトラップした柿谷は鋭い反転から左足ボレーで叩く。PA手前から放った豪快なボレーシュートがゴール左に突き刺さり、1-1の同点に追いついた。

 試合はそのまま1-1で勝ち点1を分け合い、横浜FMは10試合負けなし(5勝5分)となったが、これで3戦連続ドロー。最近6試合の総得点はわずかに3で、結果も1勝5分と勝ち点を伸ばせずにいる。一方のC大阪は2試合連続で追いついてのドローとなったが、これで4試合白星なし(2分2敗)。次節を終えれば扇原、山口のダブルボランチがそろって五輪のためチームを離れる苦しい状況の中、降格圏となる16位新潟との勝ち点差は「3」に縮まった。

(取材・文 西山紘平)

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