[7.7 J1第17節 F東京 3-2 G大阪 味スタ]

　前半戦の折り返しとなる一戦で、ようやくスタメン出場の機会を与えられた。FC東京のDF中村北斗は、左SBでスタメン出場すると、積極的な攻撃参加を見せ、開始わずか3分で、チームに勢いをつける先制点を記録した。普段どおりのプレーができた、と中村自身は強調する。

「常に点は取りたいと思っています。いつも通りじゃないですか?　いつもガンガン行こうと思っていますけど。最初にボールが来るかどうか。『今日は見せてやろう』という気持ちは毎回ありますし」

　キックオフから2分40秒。左サイドでMF長谷川アーリアジャスールからのパスを受けると、一気に縦に仕掛けた。対面するG大阪の右SB武井択也を振り切り、中央にクロスを入れる。ボールがDF金正也に当たり、こぼれると、誰よりも早く反応した中村が再びPA内でボールを収める。中の状況を確認しながらも、シュートを選択した。ボールはGKの股間を抜けて、ゴールに決まった。

「雨も降っていて、下がスリッピーだったので。相手がトラップした瞬間にボールが長くなって自分の前にこぼれてきました。パスとシュートの選択肢がありましたが、(シュートが)入って良かったです。ああいう早い時間帯に取れたのはチームとしても良かったと思うし、自分としても結果という形に残るゴールを挙げることができて良かった」と中村は笑顔を見せる。

　PA内での冷静な判断が光った先制点を挙げると、すぐにチームメイトが駆け寄ってきた。「ガッツポーズも冷静にしたかったけど、いっぱい来るから、できなかったです。みんなに『かっこ悪い』って言われました」と苦笑した。

　その後も積極的な攻撃参加を見せ、チームの3試合ぶりの勝利に貢献した。だが、「課題はたくさん残った」と振り返る。

「チームが勝つことが一番大事だと思うし、自分がゴールという結果を出したことよりも、ゼロで守ることが自分の結果にもなると思うので。反省が残りますし、DF面で全然いけていなかった。多少、試合に慣れることも必要だと思うので、また次に生かしていきたいです」

　DF太田宏介が負傷で離脱中。さらにDF徳永悠平がロンドン五輪でチームを離れれば、出場機会も増えてくるはず。「いつもどおり練習で見せて、積み重ねていきたい」と語る中村は、決意を新たに、後半戦を見据えた。

(取材・文　河合拓)