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2つのスーパーゴールを語るF東京・FWルーカス「みんなで決めた2点目が嬉しい」

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[7.7 J1第17節 F東京 3-2 G大阪 味スタ]

 健在を見せつけた。08年から10年までガンバ大阪に所属していたFC東京のFWルーカスが、2得点を挙げて3試合ぶりの勝利を呼び込んだ。試合の前に「相手は自分を知っているから、もっとも難しい試合になる」と語っていた33歳のブラジル人だが、相手の特徴を知り尽くしているようなプレーを見せた。2得点に加え、中盤に引いてのサイドチェンジなどで、何度も攻撃の起点となった。

 ルーカスの最初のゴールは、1-0で迎えた前半17分。試合の流れがG大阪に傾きかけたときだった。この試合が今季初先発だったDF中村北斗とのワンツーから、豪快なミドルシュートを叩き込む。

「中村選手からパスを受けて、1トラップ目でスペースにボールを運ぶことができました。あの距離は私のシュートレンジでしたし、これまでも何点か決めたことがあったので、良いインパクトができてゴールを決めることができました。雨の影響もあったかもしれませんし、GKの視点からどういう変化をしたのかは分かりませんが、おそらく落ちたのだと思います」

 PKで1点を返されたが、前半終了にも再び相手を突き放すゴールを決めた。MF田邉草民からのループパスを受けると、DFを背負いながらもアウトサイドで絶妙なトラップ。そこから飛び出してくるGKを越えるループシュートを流し込んだ。

「2点目は(田邉)草民から本当に良いボールが来ました。そこから一番大事だったのがトラップです。技術を出すことができました。そのあとは落ち着いてゴールを決めることができたと思います」

 どちらも、美しいゴールだったが「和」を大切にするブラジル人は「2得点目の方が気に入っています」と話す。

「私が決めたゴールですが、みんながパス回しをして、相手の守備を崩して決めることができました。みんなで決めることができたので、2点目のゴールが気に入っています」

 試合前には「今日はブーイングを受けないんじゃないかな」と話していたが、実際には古巣のG大阪サポーターからのブーイングを受けることになった。それでも「少しだけでしょ(笑)? 終盤に倒れたときはいっぱい受けましたけど、今ちゃん(今野泰幸)に比べると少なかった」と笑い、昨シーズンをともに戦った元チームメイト、そして古巣への気持ちを口にした。

「今野選手と対戦して、非常に難しかったです。2点、取ることができましたが、チャンスはそれしかなかった。それ以外は能力が高かったと思います。試合を見てれば、相手にチャンスが多かったことは誰もが分かるでしょう。本当に悪いチームではなかったと思うし、あらためてG大阪は強いチームという印象を受けました」

 この勝利で勝ち点3を上積みしたF東京は、5位に浮上した。「私たちのチームは上を目指しているので、ここで勝たないといけなかった」と、ブラジル人は語り、「良いモチベーション、良いリズムを次の鳥栖戦につなげたい」と、笑顔でスタジアムを後にした。

(取材・文 河合拓)

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