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前半戦を振り返るG大阪・DF今野「苦しいし、つらい」

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[7.7 J1第17節 F東京 3-2 G大阪 味スタ]

 試合終了と同時に、大きく天を仰いだ。絶対に負けたくない。その一心で臨んだ古巣との一戦に敗れた。試合後のミックスゾーンで、ガンバ大阪のDF今野泰幸は、立ち上がりの2失点を悔やんだ。

「試合前からDF陣で『固く入ろう』と話し合っていたのですが…。SBも絞らせて『セーフティーファーストを考えてやろう』、『前半0-0でもいい』と話し合って試合に入ったのですが、東京の勢いもあったり、ちょっとしたポジショニングミスだったりで、先に失点して、プランが崩れました。後半だけを見れば2-0で勝っていますし、もう少し守備陣が踏ん張って0-0の状況を長くできるようにしたい」

 昨シーズンまで、G大阪は飛び抜けた攻撃力を誇っていた。その一方で、守備には粗さがあり、日本代表のレギュラーでもある今野の加入は、長年の弱点を解消する切り札となるはずだった。しかし、前半戦を終えて38失点は最下位の札幌と並んでリーグワースト。順位も17位と低迷している。この前半戦について、今野も「嬉しいことが一つもなかった」と振り返る。

「正直、苦しいし、つらい。嬉しいというのが一個もなかった。でも、僕はあきらめない。ガンバに来て、良い成績を残して、嬉しい思いをすることを目標にしているので。何とか上を向いえて、つらいけど、サポーターと一緒にこれを乗り越えられるように頑張っていきたいと思います」

 やらなければいけない。古巣と戦うことで、その思いをあらためて強く持った。

「スタジアムの雰囲気も懐かしかったですね。長い間、ここでプレーしていましたから。ハーフタイム明けのときは、どう対応して良いのかわからなかったけど(苦笑)。でも、僕の名前を呼んでくれたので、嬉しさはありました」

「(選手も)ほぼ11人を知っていましたし、今まで戦って来た仲間だったので、変な気持ちもありましたし、絶対に負けたくないというのもありました。すごく良い選手が多いなというのは感じましたね、前半は。監督も変わってやり方も変わって来ていたし、前半のサッカーが後半も続られれけば、イヤな相手だなと。みんな頑張っているから、負けていられませんね。(徳永)悠平もオリンピックに行くし、負けられない。お互いに頑張っていきたいですね」

 前半戦を終えて降格圏に沈む今、危機感を持たなければいけない。2年前にF東京でJ2降格を経験しているDFは、警鐘を鳴らす。感覚として『もう半分』なのか『まだ半分ある』なのか。そう聞かれた今野は、『もう半分』という「危機感しかない」と即答した。

「危機感を持たないといけない。ここで危機感を持たなかったら、(後半戦は)一瞬で終わってしまう。大変なことになってしまうと感じている。F東京での教訓を生かさないといけない。チームメイトは、降格争いの経験がないので、僕が伝えていきたい。僕も最大限に努力して、この状況を打破できるようにしたい。これを乗り越えたら僕も大きくなれると思うので。今はつらいけど、乗り越えられると思って頑張ります」

(取材・文 河合拓)

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