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元代表FW高原、東京Vの今季初ゴールをアシスト

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[3.17 J2第3節 東京V1-1岡山 味スタ]

 清水から東京ヴェルディへ加入した元日本代表FW高原直泰がチームの今季初ゴールを演出した。1点を追う後半36分だ。高原はMF中後雅喜の右FKをファーサイドで頭で折り返し、DF福井諒司の同点ヘッドをお膳立てした。新天地での初アシスト。「中に3人くらいいるのは分かっていた。練習中から中後にはファーを狙ってくれと言っていた。相手(のセットプレーの守り)はゾーンなので、ああいうボールにはどちらかというと対応できない。自分たちの狙いとしてできた部分だと思うし、偶然ではなく狙いをもってできたことは良かった」と表情を緩めずに振り返った。

 チームは初勝利こそ逃したものの、今季3試合目でようやく初ゴール。高原はそれをアシストしたほか、サイドでのコンビネーションでフリーの選手をつくり出し、敵陣でインターセプトする好守もあった。ただ、本人は満足していない。「まだまだチーム全員が自分の良さを出しているとは思えない。まだまだ縮こまっている選手が多いかなと思う。どうしてもチームスポーツだから一人ひとりが良くなっていかないと、チーム全体としても良くなってくる部分が出ない」と厳しかった。

 特に消極的なプレーが目立った前半は前線へのサポートがなく、厳しい守備を見せる岡山に足下へのボールをカットされては押し込まれる展開。後半は持ち直して同点に追いついたが「前半がひどすぎたので、後半はだいぶ普通になったと思うんですけど、普通になった時にセットプレーで失点してしまった。もっと自分たちが集中しなければいけない。難しい試合をさらに難しくしてしまったのは自分たちなので、しっかりしていかなければいけない」と意識の面から向上させることの必要性を口にしていた。

 まだ周囲を活かすプレーの少なさなどチームの課題を感じている。ただ苦しい試合で勝ち点を奪ったことを前向きに捉えて次につなげるだけだ。「悠長なことは言ってられないですけど、我慢するところは我慢して。きょうは負けなかったことをポジティブに考えて、結果を出していくことを考えていきたい」。高原自身も期待される今季初ゴールを記録して、チームを勢いづけたいところだ。三浦泰年監督は「試合を重ねるごとにもっともっと彼のパフォーマンスが向上する、そしてチームが機能することを考えている」と語った。「J1昇格のために全力で頑張る」と誓って東京Vへ加入したストライカーがリーダーとしてチームを支えながら、巻き返しの原動力にもなる。

(取材・文 吉田太郎)

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