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自分たちのストロングポイントから決勝点を奪われたC大阪

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[4.6 J1第5節 鹿島1-0C大阪 カシマ]

 開幕から3勝1分と無敗だったセレッソ大阪だが、6日の鹿島戦に0-1で敗れ、今季初黒星を喫した。唯一の失点は、バックパスを受けたGKキム・ジンヒョンがFWダヴィをキックフェイントでかわそうとして、失敗したことから喫していた。

 ハーフタイムには、レヴィー・クルピ監督が「バックパスには、気を付けること」と注意を喚起していたが、その形から失点した。レヴィー監督は「敗因を個人の選手に押し付ける意図はありません」と前置きをしつつ「そういうミスが出てしまったのは、判断のミスだと思います。よりリスクのないプレーを選択しなければいけない状況で、より大きなリスクを伴うプレーを選択してしまった。ただ、これはすぐに修正できる問題」と続けた。

 安定したプレーでC大阪のゴールを守るGKキム・ジンヒョンだが、鹿島戦では苦い思い出が多い。MF乾貴士(現フランクフルト)のC大阪ラストマッチとなった2011年7月の鹿島戦では、流れの中でゴールキックをしようと置いたボールをFW田代有三(現・神戸)に背後から奪われて失点。さらにロスタイムには、大きく前に出たところをMF小笠原満男に約50mのロングシュートも決められていた。

 自身のミスで敗れたことに大きな責任を感じていた韓国人GKは、無言でバスに乗り込んだ。だが、キム・ジンヒョンの正確なフィードがC大阪のストロングポイントであることは、間違いない。この試合の前半36分には、キム・ジンヒョンの正確なフィードを受けたFW柿谷曜一朗が、トラップしてからシュートを打つという、自ゴール前からわずか3タッチでフィニッシュに持ち込む、超速攻を見せた。こういった戦い方ができるのも、彼がいるからだ。

「FWが来ても切り返してつなぐのは、アイツの持ち味だし、それがたまた今日は相手に読まれた。読まれたというか研究され出しているので、シンプルにやってもいいかなと僕は思います」と、柿谷は守護神を擁護する。そして、「投げるときも、めちゃめちゃ飛びますし、視野も広くて、ときにはファインセーブを連発してくれます。これを乗り越えてこそ、また良いプレーができると思う。今日のことは早く忘れてもらって、また水曜日に、たくさんのお客さんの前で自信を持ってやってほしい。それが僕らの力にもなるんで」と、キム・ジンヒョンに期待をかけた。

(取材・文 河合拓)

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